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堀越英美さんの「文化系ママさんダイアリー」がしみじみ面白い

恥ずかしながらモーリさんが取り上げているのを見て初めて知ったのだが、demi さんが、幻冬舎ウェブマガジンに「文化系ママさんダイアリー」なるものを連載していた。

読んでみるとこれが本当に面白い。

そんな、腹の子にしてみれば「知るか!」というような安直な理由でも、することをして月満ちれば赤ちゃんはやってくる。3 日がかりの出産は聞きしに勝る難事業だった。見舞いに来た元ボクサーの父がおびえて逃げ出すほどの阿鼻叫喚地獄絵図。あのときばかりは軽い気持ちで出産を決めたことを後悔した。しかし後悔したのは後にも先にも陣痛の最中だけだった。生まれてきた赤子は赤黒くて毛深くてなんだか変な物体だったけど、もともと一緒にいたようななじみ深い存在であり、辻仁成風に言えば「やっと会えたね」であり、つまりそこにいて当然の人間だったから、生んでよかったも悪かったもなかった。やあやあ、世に出すのが遅くなってごめんねえ。もう少し早く産む気になってたらよかったんだけど。

http://webmagazine.gentosha.co.jp/mama/vol174_mama.html

妊婦の2人に1人は読んだことがある(かもしれない)妊娠ポエム界のマスターピースが存在するのを、あなたはご存知だろうか。

http://webmagazine.gentosha.co.jp/mama/vol178_mama.html

ともあれ性別がわかると、子供を育てるということについて一気に現実味が増してくる。生理になったらお赤飯を炊くべきか。無神経と嫌われて女性性に嫌悪感を抱かれたりしないか。結果、二次元世界に旅立ったりしないか。その場合プラトニックはいいけどハードエロな同人誌は許しませんよ! と厳しく躾けるべきか。厳しく躾けた反動で出会い系で監禁王子みたいなのを連れてきやしないか。

http://webmagazine.gentosha.co.jp/mama/vol183_mama.html

しかし性欲がなくなるということは、すごいことですよ。と、今まさに子の1歳の誕生日を前に「断乳」するか「卒乳」にするか迷い中の私は思う。コンビニで写真週刊誌を立ち読みするのが大好きだった私が、グラビアアイドルを見ても何にも思わなくなるなんて。自分が自分でないみたい。ちょっとしたアイデンティティクライシス。

http://webmagazine.gentosha.co.jp/mama/vol186_mama.html

思えば、demi さんもワタシも1973年組なのだけど、ワタシなど中年前期になって「生まれてすいません」的心境になることが多い悲しい生活を送っているのに demi さんは母となった文化系女子として面白い文章を紡いでいる。この人も津田大介速水健朗と並ぶ、単著のある73年組の星だね。

萌える日本文学

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