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WirelessWire News連載更新(TESCREALふたたび:AGIが約束するユートピアはSF脳のディストピアなのか?)

WirelessWire Newsで「TESCREALふたたび:AGIが約束するユートピアはSF脳のディストピアなのか?」を公開。

個人的な事情で恐縮だが、今回は書いている間に寝不足の問題を抱えており、それは残念ながらこの文章にも影響を及ぼしている。文章の精度もあるし、何より文章のタイトルがイマイチである。

実は最初、ゴールデンウィークの間に今回取り上げた論文を訳そうかとぼんやり思っていたのだが、そんな馬力は今の自分にはない。その代わりといってはなんだが、今回は一つの論文を手短に論じただけで、この狂った長さになってしまった……。我ながら異常としか言いようがない。

それだけ長く書いても、書ききれなかった話がいくつもあるので、少し書いておく。

まず、ゲブルとトーレスの論文の謝辞にダグラス・ラシュコフの名前があり、「テクノ楽観主義者からラッダイトまで」で TESCREAL の話からラシュコフの『デジタル生存競争』(asin:B0C8MB9J7F)につなげたこととの符合を感じた。

そして、この論文を収録した First Monday の2024年4月号全体について触れておくと、TIME 誌が AI 分野でもっとも影響力のある100人に選んでいたアベバ・ビルハネが二つの論文に著者として名前を連ねていたり、その片方の「形而上学的、倫理的、そして法的にロボットの権利の嘘を暴く」に、こないだ紹介した『ブラックボックス化する社会』のフランク・パスカーレも著者に名前を連ねている。

なにより、この特集号のすべての論文に共著者、協力者として、ダナ・ボイドが10年前に立ち上げたテクノロジーの社会的影響について研究する非営利団体である Data & Society のメンバーがクレジットされている。つまり、この号は完全に Data & Society 主導ということ。

ダナ・ボイド自身は2022年に President を辞しており、昨年には Board Member からも外れているが、この人はこの10年、3人のお子さんを産み育てながら、Data & Society を大きくしたことになる。すごい話である。この団体のメンバーの活動は注目しておくとよいでしょう。

あともう一つ、今回の文章で名前を挙げながらあまり語れていないエリーザー・ユドコウスキー、並びに彼が立ち上げた LessWrong については、2018年(!)に木澤佐登志さんが書いた「人工知能はロシア宇宙主義の夢を見るか? ――新反動主義のもうひとつの潮流」がひたすら面白い。さすがにこれまで盛り込むことはできなかった。木澤佐登志さんは、もちろんワタシとは立場も志向も違うが、当時も今も氏が書くものがすこぶる刺激的なのは変わりがない。

こっそり本文に紛れ込ませたが、レイ・カーツワイル『シンギュラリティは近い』(asin:B009QW63BI)の続編が来月出るぞ!

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