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「本のアプリ化」をめぐる攻防を妄想する

マガジン航「本のアプリ化」をめぐる攻防を妄想するを公開。

実は7月末に依頼を受けていて、なかなか書く時間が割けずにいたのだが、最初のお題だった DMCA の適用除外項目の話から「appの未来」を介して例の Web Is Dead の話につなげられると分かった途端止まらなくなり、何年かぶりに文章を書いていて「踊りだす」状態になった。

先週土曜日の早朝に書き終わったときは興奮状態で、雑文書きとしてのキャリア最高の文章ではないかとすら思ったが、今冷静に読むと、全然そんなことないですね……

なお、ワタシの文章には一気にひとつらなりに書かれたもので、小見出しは編集部による。「DRMは実質的に無効化へ」はちょっと勇み足かもしれない。

ブックビジネス2.0 - ウェブ時代の新しい本の生態系

ブックビジネス2.0 - ウェブ時代の新しい本の生態系

Wired [US] September 2010 (単号)

Wired [US] September 2010 (単号)

お疲れ様、今まではてなをありがとう

少し前に近藤淳也社長みずからはてなブックマークについての要望をそれこそワタシなんかにも Twitter 上で質問しだしたのをみて、まさかと思っていたので、とうとうこの日が来たのか、とはてなユーザとして正直暗い気持ちになった。

伊藤直也さんにはじめてお会いしたのは、2004年9月に今は亡き鉢山町のオフィスを訪問したときで、最初ドアを開け、オフィスの狭さに絶句した覚えがある。喩えは悪いが「タコ部屋」という言葉が浮かんだくらいで、そこで働く当時転職まもない伊藤さんに対し、この人は真のチャレンジャーだと尊敬の念を深めたものである。

その日の夜はじめてお目にかかった近藤淳也さんに、伊藤さんと川崎副社長(当時)の名前を出して、「はてなはイケメンでないと中途入社できないのですか?」と真面目に尋ねて呆れられたのは懐かしい思い出である。

あれから6年が経つわけだ。その間、ワタシがお目にかかったことのある社員の多くははてなを去った。壇上さん、川崎さん、神原さん、水野さん、secondlifeさん、malaさん、そして伊藤さん……

ワタシは伊藤さんとは個人的な付き合いはないが、最後にはてなを訪問したときに氏の講演が素晴らしく感激したことを伝えられたのはよかったと思う。その夏に聞いた OSC Kansai での講演はてなのインフラを支える自信を感じた。

個人的な付き合いがない上での想像だが、伊藤さんには意図的に社交の機会を断ち技術の海に深く潜った時期があったはずで、その暗く深い海の孤独に耐えたことが自信となり、それが結果的にはてなの技術を支えたのではないか。

ともあれ、伊藤直也さん、6年前に「これからもはてなをよろしくお願いします」と口走った人間として、これまではてなをありがとうございました、と言わせてもらう。お疲れ様でした。

安売りされているレッド・ツェッペリンのアルバムを紹介しまくることにする

Amazon で980円以下で売っている CD を紹介するAmazon980円劇場だが、レッド・ツェッペリンのアルバムが条件に入ることに気付いたのでまとめて紹介しておく。

Led Zeppelin

Led Zeppelin

記念すべきデビュー作で、この時点で音の破壊力は圧倒的。アコースティックな音の使い方のセンスもずば抜けていた。

最近 "Dazed and Confused(幻惑されて)" がジェイク・ホームズから盗作で訴えられたが、ファンとしては何故今まで訴えられなかったのか不思議だったくらいで、ツェッペリンの初期作は特に、ブルースなどからの剽窃、借用がなされており、当時音楽評論家からヒステリックなくらい叩かれたのはそのあたりに一因がある。

Led Zeppelin III

Led Zeppelin III

サードアルバムの本作は、A面の "Immigrant Song(移民の歌)" や "Celebration day(祭典の日)" といった明快なハードロック、"Since I've Been Loving You(貴方を愛しつづけて)" といったブルースナンバーが好評だった一方で、B面のアコースティックな音が不評だった。

ただそのアコースティックサイドの取り組みは無駄ではなく、本作はジミー・ペイジのギタープレイが完全にリフ主体に集約される過渡期のアルバムとも言える。

Houses of the Holy

Houses of the Holy

5枚目となる本作は、発表当時はあまり評価が高くなかったようだが、エレクトリックな音とアコースティックな音が違和感なく共存するようになったアルバムで、ワタシは大好き。

何度聴いても奮い立つ "The Song Remains the Same(永遠の詩)" が一番好きだが、CD で聴く場合、ジェームス・ブラウンのパロディ "The Crunge"、ポップな "Dancing Days"、そしてレゲエのパロディ "D'yer Mak'er" の流れが特に気持ちよい。

Presence

Presence

妥協なきハードロックアルバムで、"Achilles Last Stand(アキレス最後の戦い)" は後期ツェッペリンの音楽性が到達した頂点といえる。

この曲など典型だが、彼らのアンサンブルは冷静に聴くとかなりヘンで、そのあたりについてはおれカネゴン先生が何度か指摘しているが(その1その2)、"Achilles Last Stand" は4人が4人ともまったく別方向に向かって演奏しながら、結果としてそれが特大ハンマーのような音の塊になっているのが恐ろしい。

ただ "Achilles Last Stand" のライブを観ると、鬼神のごとき圧倒的なジョン・ボーナムのドラムにジミー・ペイジが右に左にパンチをくらいよろめいているようにしか見えないという地獄絵図で、ボンゾが死んだら解散するしかなかったというのも肯ける。

In Through the Out Door

In Through the Out Door

実はツェッペリンの解散前のアルバムでは、唯一本作だけワタシは持っていない。

本作はジョン・ポール・ジョーンズが主導権を握ったアルバムとして知られ、シンセが幅を利かせていたり、ボンゾが珍しく軽いドラムを披露しているところが不評なのだけど、ボンゾが死ぬことなくバンドが続いていたらどういう展開があったのだろうとは思う。"All My Love" とか結構好きなのだけどね。

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