こないだ紹介した山根信二さんのウェブログの「エンターティメント業界におけるハッカー的なもの」より引用。
ゲーム業界でもGame Developers Conference 2005レポートの中で「ツールプログラマーがステータスのある花形職種になっている」と報告されている.利用者が開発者でもあるオープンソース業界ならば,ツールやモジュールをつくるプログラマーが称賛されることに不思議はないのだが,オープンソースとはいいがたいゲーム開発業界でそれが実現しているとは思わなかった.
山根さんの文章を読んで、ワタシは自分が昔訳した「オープンソース・ゲームをプレイする」を思い出した。
まずは「ゲームは描かれるもので、プログラムされるものではない」の章には以下の記述がある。
プログラマーの役割は今では、アート・テクノロジーに関して前面から引っ張るというよりも、優れたツールを作り、アーティストやレベル・デザイナーが仕事をできるだけやりやすくするようにすることから成っている。
そして「フリーの市販ゲーム」の章を見てみよう。
大抵のゲーム会社は、たくさんの社内用ユーティリティ、エディター、ファイル・コンバーター、そして場合によってはコード・ライブラリを開発してきている。そうしたものはしばしば大変粗いつくりになっていたり、特定の作業に強く特化されていたりするが、こうしたものがオープンソース化のとっかかりとなるだろう。
こうすると「ツール」を介してかなり遠い位置に見えるゲーム業界とオープンソースのつながる可能性が見えてくる。もちろん元記事はオープンソースの話ではないのだが、この文章の見ていた方向性が正しかったことは分かる。
今読むとさすがに古くなってしまっているところも多いが、このように紹介できる文章を訳せたことを嬉しく思う。