当ブログは YAMDAS Project の更新履歴ページです。2019年よりはてなブログに移転しました。

Twitter はてなアンテナに追加 Feedlyに登録 RSS

感動した芸術作品がAIによって作成されたと知ったらその感動は変わるか? その逆もあるか?

scripting.com

デイヴ・ワイナーが、スティーブン・レヴィが Bluesky か Threads かどっちか忘れたけど、興味深い質問をしていたと書いている……が、これこそ、実は2024年的なのかもしれない。Twitter あらため X がゴミだめとなり、Bluesky や Threads や Mastodon への移行が進み、先週には Bluesky が遂に招待制を終了し、誰でも参加可能になった。結果、X だけで済まず他もいくつかフォローすることになり、どこで見た話かあとでよく思い出せなくなる。

おっと、話がズレた。ワイナーが書いているレヴィの投稿はこれだろうが、ともかくレヴィが投げかけた質問はこうだ。

「もし、感動した芸術作品が AI によって作られたと知ったら、その感動は変わるか?」

この質問、ワイナーは最初「変わらない」と考えた。芸術で重要なのは、それがどうやって作られたかではなく、どう受け入れられたかだ。観た人にどんな影響を与えたか。それこそが芸術なのだ。

レヴィは、最初の気持ちが変わるかどうか聞いているのだから、これは回答になっていないのでは? と正直ワタシは思うのだが、それに続けてワイナーがちょっと面白いことを書いている。

「でも、Wordle の単語がランダムではなく、人間によって選ばれていることを知ったときにそれが面白くなくなったのを思い出した」というのだ。普通に文章や会話で使われている単語が人間の判断で除外されていると知って、ワイナーは Wordle をやりたくなくなったという。

つまり、レヴィの質問とは逆に、それを作っているのが人間だと知って気持ちが変わった例ですね。そっちもあるのか(更に言うと、Wordle には(New York Times に売却後に)入力を禁じられている検閲対象の単語も存在する)。

でも、「感動した芸術作品が AI によって作られたと知ったら、その感動は変わるか?」という質問自体は、これから問われていくことになるだろう。

先ごろ、芥川賞を受賞した「東京都同情塔」について、著者の九段理江が「生成 AI を駆使して作った」と語ったことが話題になったが、これについては以下のインタビュー記事がよかった。

あと「東京都同情塔」については、速水健朗さんのポッドキャストにおける「パクリと鎮魂と「作者の死」」の回がすごく面白かった。

[YAMDAS Projectトップページ]


クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
YAMDAS現更新履歴のテキストは、クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。

Copyright (c) 2003-2023 yomoyomo (E-mail: ymgrtq at yamdas dot org)