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浅野紀予さんが管理者日下九八氏と語る、ウィキペディアの現在

情報アーキテクチャを考えるためのメディア「architexture/アーキテクスチャ」については少し前に取り上げているが、そこに掲載された浅野紀予さんと Wikipedia 日本語版管理者の一人である日下九八氏の対話が掲載されている。

The Decline of Wikipediaウィキペディアの衰退)の話に始まり、情報アーキテクチャとしての Wikipedia について突っ込んだ対話がなされている。

ワタシは教養に欠けるので、読んでてもやもやしたものが残るのだが、こういうことについても時間をとって考えないといけないなと思わせる。

ジミー・ウェールズに影響を与えた人を見るとリバタリアン的精神があるが、それが Wikipedia という利他的なプロジェクトの土台になっているという話は面白かった。

なぜGoogle MapsがあるのにOpenStreetMapが必要なのか

SlashdotBoing Boing で話題になっている文章だが、OpenStreetMap について人に話したときに多くの人から言われる「Google Maps があるのになんでそれが必要なん?」という疑問に対する反論である。

それは地理情報が巨大ビジネスだからこそ、その情報の利用を特定企業に独占されてはまずいということなのだが、この記事で挙げるのは三つの懸念事項である。

一つ目はマップに掲載する情報を企業が恣意的に決める可能性があること、二つ目はある人の現在地と行くべき場所を企業が決めることができること、そして三つ目はお決まりだが個人のプライバシーの問題。

これらの問題があるので、中立的で透明性があり、自由にデータを利用できる、オープンソースWiki 的な選択肢が必要ということなのだが、興味ある方は原文を読んでくだされ。

というか、元々 Serge Wroclawski の個人ブログで話題になったエントリの Guardian への転載なのね。

「情報管理」最新号に『Wiki Way』の書評が載っている!

内田麻理香さん(id:kasoken)に教えていただいたのだが、独立行政法人科学技術振興機構が出している情報管理の2013年12月号に高久雅生さんが、書籍お勧めコーナーに「ゲームチェンジの時代に」(リンク先 PDF ファイル)という文章を寄稿されているのだが、そこで『Wiki Way コラボレーションツールWiki』を取り上げてくださっている! ワオ!

しかもティム・バーナーズ=リーの『Webの創成』、クレイトン・クリステンセンの『イノベーションのジレンマ−技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』という二大名著と並んでである。これは嬉しいなぁ。

Wiki Way―コラボレーションツールWiki

Wiki Way―コラボレーションツールWiki

OpenStreetMapを使った障害者向け地図

取り上げるのがすっかり遅れてしまったが、OpenStreetMap は障害者に関係性のある地図データの収集も行っているんだね。

その成果の一つが Wheelmap.org とのことだが、主にドイツでの取り組みなのかな?

他にもいくつかの試みが紹介されているが、これは何より OpenStreetMap が編集を誰でも行うことができ、そのデータが自由に公開されているから可能なのである。その意義を再確認できる。

今年もWikimedia財団に寄付した

こちらも毎年恒例になってきたが、今年も主に Wikipedia でお世話になった Wikimedia 財団に寄付させてもらった。

ただし今年は電子フロンティア財団(EFF)に寄付した関係で額を減らしている。来年はこちらの金額を戻して CC の分を減らそうか。

そうそう、Wikimedia 財団も10回目のオンライン資金集めキャンペーンを始めているので、恩義を感じている人は寄付を考えてみてはどうだろう(表示は日本語化されているよ)。

Wikipediaをつくったジミー・ウェールズ (時代をきりひらくIT企業と創設者たち)

Wikipediaをつくったジミー・ウェールズ (時代をきりひらくIT企業と創設者たち)

江渡浩一郎さんのインタビュー「こころのなかの「正しさ」を引き出す」

ウェブマガジン ART and ARCHITECTURE REVIEW で江渡浩一郎さんの藤村龍至氏によるインタビュー「こころのなかの「正しさ」を引き出す」が掲載されている。

思えば昔、このお二人の名前が出てくる Eternal Principle of the Inherited Mind という文章を書いたことがあるが、聞き手が建築家の藤村龍至氏なので、ニコニコ学会よりも『パターン、Wiki、XP』寄りの話が多い。

ワタシ的にはここが一番の読みどころだった。

 アレグザンダーの言っていることは、ユーザー参加型ということが鍵なのだと思われがちですが、実はそうではなくて、「何が正しい/正しくないかは、みんなの心のなかにある」ということなのだと思います。それを引き出さないと、どうやっても「正しさ」にはたどり着けないし、それを引き出すためにユーザー参加があるという方が正しいような気がします。
 Wikiの方法論も、誰でも参加できるし編集できる自由度を与えられる一方で、実は正しい編集は1つに限られるということが暗黙のうちに含意されていると思うんです。Wikipediaは「百科事典」という規範を全員が暗黙のうちに共有しているからこそ、Wiki的な思考が強く活かせたと思うんです。そのように逆転して捉えないと、Wikipediaが成功している理由を掴めない気がします。

http://aar.art-it.asia/u/admin_edit1/1nL3M7NjZSCxJqts6RV8

実は一つしかない「正しさ」を掘り出すことが Wiki の成功の条件と理解したが、「百科事典」のように規範がない用途の Wiki でどのように掘り出していけるのか、難しいですな。

パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)

共同編集型比較サイトWikiparisonとな

林雄司さんのツイートで、Wikiparison なるサイトを知る。

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共同編集型比較表とのことで、共同編集ができるのだから Wiki なのだけど、用途を比較表作成・編集に絞ったところがうまい。

いまどき茫洋とした Wiki サービスを単体で始めてもしょうがないわけで、このように使い方の切り口をがちっと提示するものがいいのだろうね。

既にいろいろ比較表ができているが、くだらない世界記録の比較に笑ってしまった。

OpenStreetMapが南三陸町で復興マップづくりを開催

三浦広志さん経由で、10月12日に南三陸町志津川地区で開催された OpenStreetMap のワークショップの動画があがっているのを知る。

このワークショップは、何より南三陸町に関する OSM の情報を充実させること、南三陸の現状をそのまま記録して残すこと、そして地域の住人が自らの手で地図を作成し、地元の魅力を再発見できるきっかけを作るという三つが目的だったようだ。

面白いのは Mozilla Japan がバス提供という形で協力していること。MozBus Project というのがあるんだね。


ジミー・ウェールズのシリコンバレーへのメッセージ:ちっとは成長して年齢に偏見持つの止めれ

ワタシも四十歳になったわけで、四十歳といえば「最盛期を過ぎた」とみなされるのは日本もアメリカも変わらないようで、特にシリコンバレーでは「若さ」が重要視される傾向が強い。

それは Facebookマーク・ザッカーバーグの「僕は若く技術系であることの重要性を強調したい。若い人のほうが頭がいい。ほとんどのチェスの名人が30歳未満な理由が分かるか?」といった発言にもよくあらわれているが、そうした傾向についてジミー・ウェールズが「私が Wikipedia を立ち上げたのは35歳のときだし、Wikia を起業したのは38歳のときだよ」と異を唱えている。

実際、IT 系企業の成功例をみても、創業者が35歳以上だった例はいっぱいあるんですな。起業のピークは25歳だと唱えたことで有名なマイケル・アーリントンにしたって、TechCrunch を始めたとき35だったわけで。

まぁ、天才になるのに遅すぎるということはないわけで、40歳過ぎたって新しいことを始められる人間はたくさんいるだろう。しかし、それはそのための準備ができており、新しいことに飛び込む勇気がある人なわけで、のんべんだらりと歳をとるだけの人には無理な話というのも確かなことである。

40歳からの仕事術 (新潮新書)

40歳からの仕事術 (新潮新書)

教師がWikiを使う支援をするWikiSkills

Wikimedia 財団のブログで WikiSkills という教師が Wiki を使う支援をするプロジェクトを知る。

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これは EU生涯学習プログラムの一環とのことだが、こういう試みがあるのは素晴らしいなぁ。かつてワタシは子供たちに「Wikiリテラシー」を習得させることは可能かという文章を書いたことがあるが、思えば教師だって Wiki を使えるようになるトレーニングを受けたほうがいいに決まっているのである。

Wiki Writing: Collaborative Learning in the College Classroom

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EvernoteでWikiを公開運用できるEverWiki

かつては「○○で Wiki を実現」みたいな話自体がブログネタになったわけだが、最近ではそういうので驚く組み合わせも尽きたように思っていたので、Evernote + WikiEverWiki には驚いたね。

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EverWiki は Evernote のノートブックをインターネット上に簡単に公開することができる Web アプリケーションとのことで、正確には EverWiki 上で編集ができないから、これを Wiki と呼んでよいのかというのがあるが、FAQ によると、将来は対応したいとのこと。

EVERNOTE Perfect GuideBook

EVERNOTE Perfect GuideBook

岡本真さんのWikimania 2013におけるsaveMLAK基調講演のスライドが公開

今年の Wikimania 2013 は先週香港で行われているが、日本から岡本真さんが、saveMLAK 代表としてオープニングキーノートを行っている。

そして、そのスライドが公開されたわけだが、これどのタイミングでどの文章を喋ったのか、スライドに一緒に書かれているので把握しやすい。

この基調講演を受けて、Wikipedia 英語版に saveMLAKKominkan(公民館ですね)のページができている。

Wikimedia財団が立ち上がって10年になっていた

ジミー・ウェールズWikimedia 財団をアナウンスして今月20日で10年になったそうな。

昨年冬にクリエイティブ・コモンズが設立10周年を迎えたが、ウィキメディア財団の立ち上げはそれより後だったんだね。今や Wikipedia はインターネットで欠かせないリソースであるが、その歴史はまだ比較的若いのだ。

ウィキペディア・レボリューション―世界最大の百科事典はいかにして生まれたか (ハヤカワ新書juice)

ウィキペディア・レボリューション―世界最大の百科事典はいかにして生まれたか (ハヤカワ新書juice)

Wikiエンジン開発の停滞――5年以上正式リリースがないPukiWikiと3年半ぶりバージョンアップしたHiki

半月以上前の記事だが、『Wiki Way コラボレーションツールWiki』の訳者であるワタシもこの界隈に疎くなっており、PukiWiki が5年以上正式リリースがないというのは知らなくて驚いた。

ただ PukiWiki に関しては、PHP 5.4 対応の PukiWiki Advance という派生版はあるのだが、これはどのくらい知られているのだろう。

ちょっと気になって、Hiki を調べたら、先月末にバージョン1.0.0が公開されていた……が、これって自分の周りでほとんど話題になってなかったような。

考えてみればそれも不思議ではなく、これだって実に3年半ぶりのバージョンアップなのだ。開発が活発でないことに変わりはないわけだ。

もう Wiki エンジンの開発が活発に行われる季節は過ぎたのか……

Wiki Way―コラボレーションツールWiki

Wiki Way―コラボレーションツールWiki

今年もWikiSym 2013とWikimania 2013が併催される

Wikimedia Conference Japan 2013 には結局参加できなかったが、その参加者のツイートを見ていて、今年は Wiki についての国際的な催しである WikiSym 2013Wikimania 2013 が併催されることを知った。

両者とも今年8月に香港で WikiSym の最終日と Wikimania の初日が重なる形である。この両者が併催されるのは2010年にもあったので珍しいことではない。それより香港が開催地となれば、日本からも行きやすい。レポートとか期待できるかな【他人任せのおれカネゴン

なお、WikiSym 2013 は正確には WikiSym + OpenSym 2013 となっていて、Wiki に限らずオープンな協働作業全般、具体的にはオープンデータ、オープンガバメントあたりも対象を広げるということだろうか。

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