ウェブマガジン ART and ARCHITECTURE REVIEW で江渡浩一郎さんの藤村龍至氏によるインタビュー「こころのなかの「正しさ」を引き出す」が掲載されている。
思えば昔、このお二人の名前が出てくる Eternal Principle of the Inherited Mind という文章を書いたことがあるが、聞き手が建築家の藤村龍至氏なので、ニコニコ学会よりも『パターン、Wiki、XP』寄りの話が多い。
ワタシ的にはここが一番の読みどころだった。
アレグザンダーの言っていることは、ユーザー参加型ということが鍵なのだと思われがちですが、実はそうではなくて、「何が正しい/正しくないかは、みんなの心のなかにある」ということなのだと思います。それを引き出さないと、どうやっても「正しさ」にはたどり着けないし、それを引き出すためにユーザー参加があるという方が正しいような気がします。
http://aar.art-it.asia/u/admin_edit1/1nL3M7NjZSCxJqts6RV8
Wikiの方法論も、誰でも参加できるし編集できる自由度を与えられる一方で、実は正しい編集は1つに限られるということが暗黙のうちに含意されていると思うんです。Wikipediaは「百科事典」という規範を全員が暗黙のうちに共有しているからこそ、Wiki的な思考が強く活かせたと思うんです。そのように逆転して捉えないと、Wikipediaが成功している理由を掴めない気がします。
実は一つしかない「正しさ」を掘り出すことが Wiki の成功の条件と理解したが、「百科事典」のように規範がない用途の Wiki でどのように掘り出していけるのか、難しいですな。
パターン、Wiki、XP ~時を超えた創造の原則 (WEB+DB PRESS plusシリーズ)
- 作者: 江渡浩一郎
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