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Everything was beautiful, and nothing hurt


気ちがいじみた考えが、ビリーの頭に浮かんだ。そこにある真実は彼を驚かせた。それはビリー・ピルグリムにふさわしい墓碑銘となるにちがいない――また、わたしにとっても。

以前にも書いているが、カート・ヴォネガットの『スローターハウス5』は、ワタシにとってレイモンド・チャンドラーの『長いお別れ』や色川武大の『狂人日記』に匹敵する特別な作品である。

ヴォネガットが既に80台半ばなのに気づいたとき、彼が死んだら悲しいだろうなと思った。その彼が死んだ。とても悲しかった。そういうものだ。

上の挿絵を見直したときはちょっと泣きそうになった。

「何もかもが美しく、傷つけるものはなかった」

そうあってほしい。さようなら、カート・ヴォネガット

ポール・グレアム『マイクロソフトは死んだ』反応集

Paul Grahamマイクロソフトは死んだ(とその解説)への反響の大きさはある程度予想していたとはいえ、やはり驚いた。

前者は当サイトの文章で三つ目となるブックマーク数400超えを達成した。はてなブックマークポイントをくださった方に感謝する(オレのことか? と思ったアナタ、そうアナタです。お一人だけでしたので)。

今回は特にブログなどでの言及が多かったので、以下主だった反応を淡々と紹介させてもらう。見落としているものもあったら申し訳ない。

個人的には、Paul Graham が手がける Y Combinator、並びにそこから投資を受けたスタートアップに興味を示す反応がなかったのは残念だった。まあ、それは仕方ないのだけど、Shiro Kawai さんから大変面白い話を伺ったので、そのあたり(Kawai さんも以前に少し書かれてますが)についてまた機会があったら書くかも。

AppleがMSのトドメを刺したという意見は、現状は保留・・・・MSの場合は何年掛けようとも、幾ら赤字が出ようともやり続けるだけの資金力(最近はAppleも豊富な資金力があるが)があるわけで、音楽配信ビジネスもまだまだ大きなうねりがありそうだと感じる。

違うよね。
マイクロソフトは最初から死んでて、死んだまま生きてるのが恐ろしいんだと思う。
Windows 1.0、IEXBox
すでに死んでるから、これ以上死ねない、なのに生きてる、怖い。
きっと世界にもそんな人がたくさんいて蜜月が成り立ってる。

あとから振り返れば、IBMを脅かすことになるMSはIBM絶頂期の1975年に生まれ、MSを脅かすことになるグーグルは、MSの絶頂期である1998 年あたりに生まれていたのだけれど、グーグルが絶頂期になると思われる2010〜15年あたりに、グーグルを脅かすことになる企業が産声をあげることになるのかもしれないとも思う。

いや、今年から来年が絶頂期なので、その企業は産声をあげているのです。その名前は……

まさか自分の翻訳が2ちゃんねるまとめブログで取り上げられる日が来るとは思わなかった。

実は9日の夜、珍しくベンジャミンから電話があった。何かと思ったら、「おい、ニュー速+でスレが立ってるぞ」とのことで、一気に脱力してしまったのだった。

これまで重要だと考えられてきた標準の環境(Windows の世界)から、別の標準(Unix の世界)へと転換しつつあるのかもしれないですね。

はてなのもちおマンセーな人はこういう文が好きみたいだけど。

でも彼の認識しているリスク − マイクロソフトが起死回生の復活を遂げて、「マイクロソフトは死んだ」と先走ったことを口にしたPaul Grahamが笑いものにされてしまうというリスクは、意外と高いのではないかと私は思います。

いずれにしてもこれを書いた人はロクな奴じゃない。

Paul GrahamMicrosoft is Deadを yomoyomoが翻訳したマイクロソフトは死んだがなかなか面白い。

呼び捨てかよ! と思わずパソコンの前で突っ込んでしまったが(笑)、ポール・グレアムと同等に扱ってもらったということか?

邦訳を読んだ後で /. での反応を見ると、いまどきここに集まってくるのは文盲か、あるいは昔を懐かしむことしかできないじじぃばかりなのか、と思えてしまう。そういう意味ではサプライズだった。マジびっくりした。

それがスラドクオリティ。

Microsoft の脅威にさらされるべき人間とは、すなわち Microsoft のソフトウェアに依存する生活を送っている人間のことである。

私が異を唱えたいと思っているのは、Graham が再三言っている「desktop is over」という事。

Microsoft敗戦処理にやっきになっている間、漁夫の利を得たのはGoogle です。しかしMicrosoft を殺した犯人とまでは呼べないのではないでしょうか。Microsoft がコケタのは、あくまでWintel の相棒であるIntel が(熱処理に)失敗したから。

簡単に書けばつまらない普通の大企業になったというだけものことだ。そしてそれはたぶん今もマイクロソフト筆頭株主であり、前CEOのビル・ゲイツが望んだことなんだ。

さらに日本に目を転じると、危機感どころかパラダイス鎖国実施中の印象すらある。確かに日本ではヤフーの強さは圧倒的だ。しかしそれを言えばPC-9800シリーズだってそうだったのだ。

Yahoo! のほうは既報の通りオープンソース CMS のカンファレンスを開催したりして Geek 層とのつながりを保っているように見えるが、ヤフーのほうはどうだろう。

盛者必衰に沿って言うならば、五年後にPaul GrahamによってGoogle is Deadというエントリが書かれる可能性を誰も否定できない。

というか、そういうことを思ってほしいんじゃない?このエントリは。

Y Combinator が出資した Reddit の Aaron Swartz は、The Goog Life:グーグルが従業員を子供扱いすることでつなぎとめている件の中で、「恐竜同様、いずれ Google も滅びる」と書いておりますな。

彼は数の論理についてよく理解していて、限りなく「マイクロソフト的」だと思った。「ブラウザの外」ではまだこの論理は有効である。

ジョブズが戻る前のAppleは事実上死んでいたし、同じ頃NeXTも死んでいた。死んだはずのNeXTとAppleが一つになって、一体どうしてAppleは蘇ったのだろう。

ここ数週間なぜか更新頻度があがったが、来週からは元に戻ると思います。

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