週末は私事でばたばたした上に風邪までひいてしまったので、本サイトの更新はなし。
さて、先週訳した Wiki 病だが、はてなブックマークでは非公開ユーザも含めると40件を越えるリンクをいただいたし、そこそこ注目されたようだ。近藤さんが、「wikiが拡がりはじめた証拠」とコメントしているが、確かに Wiki 自体が広く利用されるようになったからこそとも言える。
以下、主だった反応を引用し、あと当方が思うところをぼちぼち書いていきたい。
まずは『結城浩のWiki入門』の著者でもある結城浩さん。
WikiはWebと同じ素材でできているため、この批判の多くはWeb全体にも当てはまる…というのはちょっといいすぎか。
これは江渡浩一郎さんの文章を下敷きにしたものだが、似たような反応は Under Drive などでもあった。そう言い出すと /home/pochi/ChangeLog にあるように、他にもずらりと病名が挙がるわけである。ただ、
- ツールの意図や限界を超えて使おうとしてる
- 慣れた道具に固執しすぎる
という病原の分析は心に留めるべきだろう。
また Wiki 病における東洋思想かぶれの指摘については、こーひーをぶんなぐれ!には、
西洋人の「禅」に対する汚い憧れみたいなのが,見事にでてる.
John Cageのアホさを思い出した.
また Morf-hine でも、
確かにWikiを最初に見たときは「コレは凄い」と思ったものだ。が、勿論Wikiだって万能では無い。それが「銀の弾丸」に見えた気がしたのは「Wiki 現象で一番癪に障るのは、その周辺に広がる陳腐な精神主義」と言われている主義のお陰なのかも。
という厳しい指摘がある。禅への言及について少し擁護しておくと、あちらのハッカーさんは昔から禅やら東洋思想をひきあいに出す伝統(?)があり、それには一部シャレというかユーモアで言っているところもある。ここらへんについては山形浩生の「Hackについて」の後半部が参考になると思う。
あと、ねこら対策研究要塞日誌@はてなの、
昨今は「多くの人が自由にちょっとずつ働いた結果」>「賢い少数の人の建てた計画に沿った結果」ってのが流行ってるけど…やっぱそう上手くは行かんと。足を引っ張る人が居るからなぁ。当然か。自己組織化とか(文系の人が使う所の)創発とかも。
というのは、(必ずしもこれが Wiki にそのままあてはまるとは思わないが)結構ポイントかもしれない。やたらと創発といいたがる人が多いですし。
また仮藻録の以下の文章も冷静な分析。
日本だと「Wiki Way」を読んで思想的に引かれた!と言う人よりも、Pukiwiki みたいななんでもありの Wiki の便利さに引かれてと言う人が多そうなので、原理主義者は少なそうな気がする。
そうそう、『Wiki Way』大して売れてないんです(涙)。ただまぁ、『Wiki Way』は実用的な本だと思うんですがね。
ただ個人的には5P日記の、
狩猟型メディアから農耕型メディアへ
というのに一番考え込んでしまった(笑)。