さて、ハンター・トンプソン自殺を受けて書かれた「ジャーナリズム最高のハッカー」を訳した際に気になった、ハンター・トンプソンの代表作『Fear and Loathing in Las Vegas』からの引用としてよく引き合いに出され、またその映画化『ラスベガスをやっつけろ』のラストでもモノローグに使われている文章 "There he goes. One of God's own prototypes..." が当の原作に見当たらないという疑問点について、その邦訳『ラスベガス★71』の訳者である山形浩生氏に質問したところ、ワニにまたがり満足された後に回答をいただいた。
件の文章は『Fear and Loathing in Las Vegas』における弁護士(のモデル)である Oscar Zeta Acosta の半自伝小説『The Autobiography of a Brown Buffalo』にトンプソンが寄せた序文に出てくる文章で、『Fear and Loathing in Las Vegas』自体には出てこないとのこと。
また、Acosta の次作『Revolt of the Cockroach People』に寄せた序文の最後でも件の言い回しを流用しており、そちらはオンラインで全文読めます。
「ジャーナリズム最高のハッカー」にも註釈を入れておいた。山形さん、ありがとうございました。