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三連休の振り返り(WCJ2009、TBSラジオLife、MTM04)

こないだの三連休は上京しており、特に日曜、月曜といろいろなところに顔を出して貴重な体験が出来たので軽く振り返っておく。

Wikimedia Conference Japan 2009

例によって病的な方向音痴ぶりを発揮して迷子になってしまい、半泣きになりながらほぼ開始時間に会場に到着したら、登録待ちの行列ができていて驚いた。予想を超える盛況だった。

shino さん塚本牧生さんのレポートを読んでいただければ、ワタシが見たセッションもほぼ網羅されるのだが、それ以外では八田真行の「Wikileaksの現状と課題、そして突きつける問題」を見た。Wikipedia はおろか Wikimedia 財団とほぼ関係なく、というかほとんど Wiki ですらない Wikileaks をテーマに据えるやりたい放題、傍若無人ぶりは呆れるより他ないが、これが面白かったのだから始末が悪い。

ワタシ自身 Wikileaks をうさんくさいものと決めつけてまったくフォローしてなかったので、その意外な戦果も初めて聞く話ばかりだったり(直近ではクライメートゲート9.11の通信傍受記録)、WikileaksFreenet が組み合わさったときに可能になるものの話も興味深かった。

八田真行の「WikileaksTwitter=ジャーナリズム2.0」という見立ては、もちろん一般層までそれで納得させられるわけはないのだけど、ハッカー的割り切り(という表現はヘンか)が面白かった。

一方でローレンス・レッシグが敢えて政治の世界の情報公開に異を唱えた Against Transparency はまったく読んでなかった(レッシグ先生、ブログ終了しちゃったし)。「プラットフォームとしての政府」について書いた当方としては読むべきだろうが、長いなこの文章!

あと、津野海太郎さんによる「百科事典とコンピュータ文化」も温故知新というか刺激になったが、その中で引用していた鶴見俊輔アメリカ哲学』の文章はこれか。

絶対的な確かさ、絶対的な精密さ、絶対的な普遍性、これらは、われわれの経験的知識の達し得ないところにある。われわれの知識は、マチガイを何度も重ねながら、マチガイの度合いの少ない方に向かって進む。マチガイこそは、われわれの知識の向上のためにもっとも良い機会である。したがって、われわれが思索に際して仮説を選ぶ場合には、それがマチガイであったなら最もやさしく論破できるような仮説をこそ採用すべきだ(これはもはやプラグマティズムの原理と同一である)。 (p.43)

http://arumumu.tumblr.com/post/254196460

アメリカ哲学 (鶴見俊輔集)

アメリカ哲学 (鶴見俊輔集)

TBS RADIO 文化系トークラジオ Life

今回の「Twitterはじめました」は、2月の「草食系男子の本懐」6月の「日本のネットは進化したのか」に続く、なんと今年3回目のスタジオ観覧だった。Life は月の最後の日曜深夜が放送日となることが多いので、今回都合が合ったのは幸運だった。

特に今回は佐々木敦さんを除くサブパーソナリティ全員集合+小野マトペさんら有名 twitter ユーザ三名、そしてダメ押しで津田大介夫人のキキさんまで参戦という豪華布陣で、楽しい番組収録だった。

会場入りした直後は、スタジオに遊びに来ていたソフトバンク・クリエイティブの上林さんと「ベストセラー作家になると金髪も一層輝くねぇ」などと放言していたのだが、外伝収録直開始前に津田大介に「また増刷したよ!」と言われ、「増刷」という単語に頭が真っ白になったところでワタシにマイクがまわり、ブルブル震えながら半ば上の空でどうでもいいことしか喋れなかった。この日はパーソナリティの皆さんはもちろん、ゲストの方々も皆ビシっと喋っていたことを考えると、やはりワタシはリアルタイムなメディアには向いておらず、Twitter 時代に淘汰されてしまうのかなと思った。

あと黒幕長谷川さんは、お会いするたびに痩せている印象があって、実際は直前の旅行で少しは体重を戻されていたようだが、正直心配である。くれぐれもお身体にはお気をつけいただきたい。

Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)

Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)

Make: Tokyo Meeting 04

『Make: Technology on Your Time』日本版にずっと翻訳者として関わりながら一度も Make: Tokyo Meeting に行ったことがないのがずっと気がかりだったので、今回参加できて嬉しかった。

会場でオライリーの田村さんに挨拶をしていると、江渡浩一郎さんが通りかかり、同じく Make 翻訳者である、というよりウェブ雑文書きの先輩である藤原宏樹さんと初めてお目にかかり合流し、Make にも寄稿されている、というより Asterisk 方面でおなじみ高橋隆雄さんに挨拶し……と何か夢のようだった。

藤原さんと一緒に(オライリーの田村さんも勧めていた)Denkitribe のステージを見たのだが、これがとんでもないというか無茶苦茶かっこよかった。Radium Software の方というのは存じていたが、不勉強にもそれ以上の事前知識がなく、度肝を抜かれた形である。ご自身のサイトで紹介されている動画をここにもはっておく。

その後一通り会場を見てまわったが、Maker 魂というか熱気があって見ていて楽しかった。いしたにまさきさんも書いているようにカップルや家族連れが多かった印象があり、これは良いことだと思う。

メイン会場に戻ると塚本昌彦さんが江渡さんに「眼鏡変わった?」と声をかけているところに遭遇したが、一方的に存じていた方が会場に多くおられたようだ。野尻抱介さん(id:nojiri_h)には挨拶できたが、船田巧さん(ログイン時代から読者じゃないか!)など Make 関係者で声をかけそこなった方がいるのは残念である。

あと書いておくと、Make: Tokyo Meeting は入場料も出店代もとっておらず、オライリーの方々の負担も相当のものだと思う。こういう意義ある愉快な場が末永く続くためにどうか皆さん『Make』を買って、Maker を支援してください。

Make: Technology on Your Time Volume 08

Make: Technology on Your Time Volume 08

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