アンディ・グリーンバーグの本は「邦訳の刊行が期待される洋書を紹介しまくることにする(2022年版)」でも取り上げているが、そこでも名前を触れている前作の邦訳が『サンドワーム ロシア最恐のハッカー部隊』として来年出るのを知る。
角川新書から出るようだが、新書とは思えないような価格設定になってますな。
内容は、ロシアが世界(主にウクライナ)にしかけたサイバー戦争の内実に迫るもので、これは今年出るべき本でしょう。再度、カタパルトスープレックスの書評も参考までリンクしておく。
著者のアンディ・グリーンバーグは Wired のシニアライターなのだが、今年 Wired.jp で訳されただけでも以下のロシアによるサイバー戦についての記事を書いている。
- ウクライナを狙うサイバー攻撃が相次ぐ理由と、透けて見えるロシアの存在 | WIRED.jp
- 「ウクライナ全土の停電」を目指していたロシアの最強ハッカー集団、その恐るべき攻撃の中身 | WIRED.jp
- ロシアの最強ハッカー集団による新たなサイバー攻撃の危険性 | WIRED.jp
2022年はロシアによるウクライナ侵攻がもっとも大きな世界的トピックだったわけだが、ワタシなど以前からロシアのハッカー部隊の恐ろしさというのをやたらと聞かされており、はっきりいってウクライナはロシアハッカーの練習場状態という話に慄いたものである。
で、実際アンディ・グリーンバーグの Wired の記事にもあるようにロシアハッカーの暗躍はあったのだろうが、以前から聞いていた話のレベルからすると、あんまりウクライナに対するサイバー攻撃が大きな成果を挙げたという話も聞かない。
これは単にワタシが知らんだけかもしれないし、ウクライナがよく頑張った現在の戦況からくるイメージが影響しているのかもしれないが、2022年におけるロシアのサイバー戦についてもいずれはノンフィクションの題材になったりするのだろうな。