デイヴィッド・J.スカル(公式サイト、Wikipedia)の名前を久しぶり見たなと思ったら、訃報だった。車の事故に巻き込まれて亡くなったとのこと。享年71。
彼の著作は、日本でも90年代後半に次々と邦訳が出た。
この人の名前は……確か、柳下毅一郎さん経由で知ったのかなぁ。ワタシもトッド・ブラウニング伝など、彼の本を図書館だかで読んで興奮したのを覚えている。
こうやってちゃんとした追悼記事を掲載する New York Times はえらいね。
彼はスーザン・ソンタグ、ライオネル・トリリング、R・D・レインの文化論を著書で引用した。しかし、彼の批評は決して堅苦しくはなく、クリーブランドの外れに住んでいた少年時代に初めて出会ったジャンルの個人的なファンダムに根差していた。彼が初めて観た映画の記憶は、テレビで観た『フランケンシュタインと狼男』だった。
「私が育った郊外のブルーカラーの街では、ドン・ジョヴァンニにあまり縁のない人々がドラキュラに影響を受け、フランケンシュタインがファウストの替わりだった」とスカル氏は、映画やテレビに登場するマッド・サイエンティストについて研究した著書『マッド・サイエンティストの夢―理性のきしみ』の序文で書いている。
『マッド・サイエンティストの夢―理性のきしみ』について、現実の科学者に対する理解が浅いと批判した科学ライターもいたが、スカルはそうした反応を当然予想していた。この本の序文で、自分の主題は現実世界ではなく、我々の恐怖を反映したポップカルチャーがゆがんだ世界を映し出す鏡であると主張している。
彼の著作、復刊とか電子書籍化とかしないですかね。