当ブログは YAMDAS Project の更新履歴ページです。2019年よりはてなブログに移転しました。

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はてな利用規約改定に関する意見募集

意見募集について所定の意見提出方法に従い、メールを出させてもらった。

当方がコメントしたのは、(はてなダイアリーの)公衆送信権については解決の方向と認識しているので、主に商用利用の事前承認についてである。書いているうちに、『はてなの本』におけるテラヤマアニ(id:kowagari)さんの文章まで引用するなどどんどん長くなり、こんなものを読まされるほうもたまったものではないなと思ったが、後悔するのはイヤなのでとことん書かせてもらった。

今回の規約改定についてはいろんなはてなダイアリーで意見が出たが、本当に今回の改定が自分にとって重要なものだと思うのなら、ちゃんと所定の手続きに従ってコメントを出そうよ、とは言っておきたい。そうしないと伝わらない。提出期限は9月2日の木曜日までです。

上に書いた通り、いろいろ意見は出ているが、読んでいて気持ちが悪かったのは、「自分は近藤さんを信用しているから」「はてななら悪いことをしないだろう」といった言説をいくつか見かけたこと。いや、ワタシだってその種のことを書いたことはある。一通り議論した後で、これまでのはてなの実績を考慮したり、その意図を推量するのはいい。そうでなく、いきなりそれは恥ずかしいんじゃないだろうか。

そのはてな規約改定案を出しているのだから、純粋にそれで判断しろよ。意見だって求めているんじゃないか。それでおかしいところがあれば所定の手順に従って率直に意見しろよ、と思うのだがまた恨みを買うようなこと書いてますかね、ワタシ。

YAMDAS対談について

「大雨の中、車中にて」「遠藤周作文学館にて」に続く三部作の完結編(おおげさ)ですが、実はまったく手がついていません。ごめん、ベンジャミン。

こういうのって時間が経つほど公開への意欲が薄れてきて、今更なー、という感じになるのだが、今正にそういう感じだったりする(笑)。難しいよね、こういうの。

ジョン・ギルモア対アッシュクロフト裁判始まる

ハッカー界の重鎮という言葉では説明しきれないほどの偉人であるジョン・ギルモア(John Gilmore)が、「テロリスト容疑者」バッチのために搭乗拒否された件で、(『華氏911』でも美声を披露していた)アッシュクロフト司法長官らを訴えているが、その裁判が今月半ばに始まっている。

裁判にいたる経緯や、ギルモアが訴えていることなどについては、FreeToTravel.org やそのままズバリな Gilmore v. Ashcroft にまとまっている。

この一件については、(EFFの理事仲間である)レッシグ教授のブログで断続的に取り上げられてきたので、そちらも参照するとよい。

注目すべきは最後に挙げた「クシニッチ議員」におけるレッシグの分析。

 彼のジョン・ギルモアについての記事がその例だ。この出来事を巡る論争には大いに驚かされてきた。論争を読んだ私は、市民の権利の問題に対する態度によって、2つのタイプの人々が存在することに気づいた。われわれを分かつのは市民の権利自体を支持するかどうかではない――もちろん誰もが(話題にするほどの価値がある人間なら)これを支持している。問題はそれをどのように支持しているかだ。
 (1)一方の人々は、意図的か過失かを問わず、人々の権利が侵害されたときは、それに抗議することは侵害された側の権利(あるいは義務)であると考える――その抗議が招く結果に関わらずに。
 (2)もう一方は、少なくとも過失による場合は、権利の侵害があったとしても、その場やもたらされる結果を考慮したうえで、侵害に対して抗議するかしないかを決める人々だ。

もちろんリバータリアンであるギルモアは前者のタイプなのだが、自分に置き換えて考えた場合、やはり後者のタイプなんだろうなあと思う。というか、日本人だと後者が多いように思う。ジョン・ギルモアの主張を読んでいくと共感するところが多い、というかお手本のように考えてしまうところもあるのだけど、一方でどうしてもついていけないというか、そこまでワタシは強くなれませんぜと思うところもある。

さて、そのジョン・ギルモアの現況を知るのに良いインタビューが GrepLaw に掲載されており、今回の裁判周りの話はもちろん、テロリズム、麻薬対策、EFF などを語りまくったとても面白いインタビューになっている。

でもさ、このインタビューの冒頭で自己紹介を求められ、

I'm a civil libertarian millionaire eccentric.

なんてさらっと言っておるわけだよ。カッコいいよなぁ。絶対真似できん。

ギルモアの裁判に関係する空港セキュリティ、ナショナルID周りの話は、Bruce Schneierの『Beyond Fear』あたりに詳しいと思うのだけど、やっぱり邦訳は出ないのかねぇ(思えばギルモアとシュナイアーは、「キーリカバリ、キーエスクロウ、第三者信託方式による暗号のリスク」の著者に名前を連ねてますね)。また、このセキュリティ問題を都市のレベルまで広げて考えると、五十嵐太郎『過防備都市』あたりも入ってくるのだと思うのだけど、こっちも未読。ダメだなぁ……

八木の野郎による『華氏911』評

いつも「八木の野郎」と表記していると、ワタシが彼のことを嫌っているように思う人もいるかもしれないから書いておくが、彼とはメールのやり取りをしている段階で、絶対にこいつとは気が合わないと確信していたのだが、実際会ってみて、やはりまったく気が合わなかった(笑)。

このように人間的にはつくづく合わないのだが、彼が書くこの種の文章については、深い敬意を払っている。

マイケル・ムーア関係では、『ボーリング・フォー・コロンバイン』『ロジャー&ミー』についての文章も読む価値があり……おい、『ロジャー&ミー』評にアクセスできないぞ、八木の野郎。

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