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iNTERNET magazine 2005年5月号

いただいていたのに取り上げ損ねていた。今号の特集は「放送・通信融合」で、正にトピカルなものなのだが、例によって地味である。読むべきところは多いのだけど、どうも誌面から浮かび上がるものがない。少しだけ触れられている「生命線となる「メタデータ」」の話を基軸に、あるべきサービスの見取り図を描く記事を求めるのは贅沢か。でも、アメリカの RSS + BitTorrent + TV みたいな話を聞くと、メタデータの縛りが日本は厳しすぎると痛感する。

あと「インターネットの論点」という連載がはじまったみたい。一回目は「トレーサビリティとプライバシー」がお題で、中村修氏(慶應大学教授)と高木浩光氏がそれぞれ技術の可能性と技術の危険性を説いている。これは良い企画かも。

初期Wikipedia回顧録

以前文章を紹介した Larry Sanger による Wikipedia の前身プロジェクトである Nupedia、そして初期 Wikipedia回顧録。メディアの誤った取り上げ方などの話も含めかなり詳細に書かれていて面白い。インタビューでないこんな長文文章も /. には載るんやね。

その Wikipedia を運営する Wikimedia 財団は、501(c)(3)免税ステータス認定を受けるまでになった。

iTunes は The The をちゃんと処理できない

ワタシも昔恥ずかしい文章を書いたこともある The The は、この手の認識・検索性においてかなりダメダメで、それが新しいリスナーとの出会いを阻害しているかと思うと気の毒になってくる。

海の向こうの「ロックミュージシャンになろう!」みたいな本には、まず最初に腕の良いマネージャーを雇うことが書かれてあるという話を鈴木あかねの『現代ロックの基礎知識』で読んだ覚えがあるが、いずれその次にこの手のデジタル検索性に優れたバンド名をつける、というのが来るかもしれない。

で、The The だが、やはりジョニー・マー在籍時のアルバムがお勧めである。上にリンクした文章にも書いたが、個人的には『Dusk』が最高傑作だと思う。

Mind Bomb

Mind Bomb

Dusk

Dusk

誰だ、山形浩生がネット撤退なんて言ったのは

ネットから撤退中どころか、相変わらずの暴れっぷりである。

オッス、オラ、中年厨房! いや、お元気そうで何よりです。先日はうちにもコメントいただいたし。

それならどうして hiyori13 のはてなidを手放したのか謎ではあるが、多分深読みしても無駄なのだろう。

丹羽文雄の死に想う……ことは特にない

finalvent さんは「いろいろボケが噂されていたが」すっとぼけたことを書いているが、噂も何も娘の本田桂子が『父・丹羽文雄 介護の日々』他で赤裸々に記していることですよ。

追記:「そーじゃなくて娘以外に文壇関係者がこれに乗じて醜悪な噂をしてたってことですよ」とのことで、ワタシの読み間違いでした。失礼しました。

それに彼については以前テレビ番組が作られている。記憶が定かではないのだが、あれは NHK スペシャルだったか。何しろアルツハイマー患者が主人公のドキュメンタリーである。悲惨な番組かと思いきや、実際悲惨な場面(症状が出だした頃、母校の早稲田大学で講演をやるも一時間近く同じ話を繰り返す映像)もあるが、本田桂子書くところの「仏さまのようになった」以降の話で、別の意味で突き抜けていた。

著名な女流作家(誰かは思い出せない)が見舞いに訪れ、明るくやり取りをし、その人が帰った後、丹羽文雄に「あの方をご存知ですか?」と聞くと、小考して明るく曰く、「いや、知りませんな!」

その顔が非常に血色が良く、声にも張りがある。そのように身体は年齢からすると至極元気なのに、アルツハイマーで自分の妻も妻と分からない。単純に暗い演出の番組を見せられるのとはまた違った意味で考え込んでしまったものである。実際、その頑健さのおかげで100歳の長寿をまっとうしたわけだが、彼の介護に尽くした本田桂子は先に鬼籍に入ったわけで、長生きするというのも……

さて、少し前に『友を偲ぶ』の読書記録を書いたが、それにも収録されている丹羽文雄による舟橋聖一の追悼文は、故人の幼児性を含む人となりを語りきった出色のものである。が、ワタシは件の読書記録でそれに触れなかった。

なぜか? ワタシも含め、今では舟橋聖一丹羽文雄など誰も読まないからである。時の流れは残酷である。しかし、この場合妥当な評価だと思う。

この二人の関係については、鈴木邦男「今週の主張・2003年2月24日 全国民に問う。メカケは日本文化か」にも詳しい。

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