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第8回Wikiばなの感想

第八回Wikiばなだが、今回は作業の合間に ustream でみさせてもらった。

個人的には岡田良太郎さん(id:okdt)の「わたしの、みんなの・・・とタイムライン(+ α)」が最も刺激になった。

塚本牧生さん、江渡浩一郎さん(博士号並びに情報理工学系研究科研究科長賞受賞おめでとうございます)のプレゼンをみるのが初めてでないというのもあるが(もちろん今回の内容は初めてだけど)、どうしても我々は「Wikiばな」という準拠枠に従う形で Wiki のことを話そうとするのに対して、岡田さんはそうしたこだわりなく主題に切り込んでいて、しかも Wiki についても当然ちゃんとした知識や経験を持っているというところが大きかった。

以前「第1回ウェブ学会シンポジウムの後に考えた集合知の行方」に岡田さんにいただいたコメントを、今回の発表をみてようやく咀嚼できたように思う。

あと関係ないが、今日3月25日はWikiの誕生日だったりする。

オンライン論文誌First Mondayの最新号にWikipedia論文が

Slashdot 経由で知ったのだが、オンライン論文誌 First Monday最新号Wikipedia を題材にした論文が二つ掲載されている。

一つ目は How today’s college students use Wikipedia for course-related research で、大学生がどのように Wikipedia を利用してるのかを調査している。予想通り Wikipedia は講義を調べものに利用されてるけど、必ずしもべったり依存してるわけではないみたい。

もう一つは Peer governance and Wikipedia: Identifying and understanding the problems of Wikipedia’s governance で、Wikipedia の編集を巡る衝突から Wikipedia の管理のあり方を分析している。peer governance というのは意外に聞いたことないフレーズである。

両方の論文とも CC ライセンスが指定されているので、どなたが興味ある方は翻訳を公開してみてはどうだろう。

今年のFree Software Awardsはジョン・ギルモアとInternet Archiveが受賞

Creative Commons WeblogLWN.net などで報じられているが、今年の FSF Free Software Awards の受賞者として John GilmoreInternet Archive が発表された。

どちらとも文句なしだが、最近の若い人だとジョン・ギルモアのことを知らない人も多いのかな。彼のフリーソフトウェアに関する貢献は、後に Red Hat に買収される Cygnus Solutions の創業、LinuxIPsec プロトコル実装 FreeS/WAN プロジェクト(参考:(Linuxの)IPsecの困難)立ち上げなど特に暗号方面への貢献、そして電子フロンティア財団の創立が主なところか。

今年電子フロンティア財団が設立20周年というのも影響してるのかも。

無法者が所有権法を向上させてきた歴史を解き明かす『Property Outlaws』

Cory Doctorow や電子フロンティア財団の弁護士 Fred von Lohmann が取り上げている『Property Outlaws』という本が面白そうだ。

Property Outlaws: How Squatters, Pirates, and Protesters Improve the Law of Ownership

Property Outlaws: How Squatters, Pirates, and Protesters Improve the Law of Ownership

手錠が描かれた表紙が象徴的だが、無断居住者や海賊業者といった、いってみれば無法者が所有権に関する法律を鍛え、向上させてきた歴史を解き明かす本のようで、著作権周りの話に留まらない内容のようだ。

無法者が現実を動かすというのは極端な主張じゃなくて、『デジタル音楽の行方』にもケーブルテレビが元々は盗みのような形で始まったことが書かれている。

海賊行為についての本というと、以前WIRED VISION 原稿で取り上げた The Pirate's Dilemma は八田真行が翻訳することを Twitter で見かけたように思うし、Fred von Lohmann が紹介している『Piracy: The Intellectual Property Wars from Gutenberg to Gates』(asin:0226401189)も今年出ていて、海賊行為研究が進んでいるようだ。

【職場では】異能AV監督ゴールドマンの驚異の実験的ビデオ【閲覧注意】

帰宅して、安田理央さんと柳下毅一郎さんが No1 in HEAVEN を語る dammune@dammune)を視聴したところ、いきなりとんでもない映像が流れていて文字通りのけぞってしまった。

ワタシが見たのは異能 AV 監督ゴールドマンが制作したビデオらしい。これが作られたのがおよそ20年前というのに驚く。安田理央さんの1992年ゴールドマン原稿を紹介したばかりだが、確かにこの人はすごい。クリス・カニンガムを軽く先んじていた。

ymnxx さんの tweet でこのビデオが YouTube にアップロードされているのを知ったのでご紹介。これを見ればワタシの衝撃は分かってもらえると思うのでとにかくみてくださいな(ただし職場での閲覧には向いていません)。

ONCE ダブリンの街角で

正直映画としてはぬるい。ストーリーに葛藤がないし、あと女が男の元カノの話を執拗に聞きたがるのもヘンな感じがした。

本作はドキュメンタリータッチの映画だが、本来ならもっと大変なはずの銀行で融資を求める場面や、同じく路上で演奏する人たちにバックを依頼する場面(俺たちはリジーしかやらねぇ)がちょっとしたアクセントになっていた。

そして、音楽映画としてはこれは文句なしに素晴らしい。特に楽器店で二人がはじめて一緒に演奏する場面が良かった。

グレン・ハンサードの歌もすごく良いのだけど、個人的にはこの映画の魅力は、マルケタ・イルグロヴァ、特にその目に大半を負っている気がする。

MUSIC FROM THE MOTION PIC

MUSIC FROM THE MOTION PIC

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