先日 ICANN 理事会メンバーへの就任が発表された伊藤穣一氏によるステートメント「なぜ ICANN?」の以下の部分を読んで正直驚いた。
ICANNは主にインターネットのIPアドレスと「.jp」などのトップレベルドメイン(TLD)の管理をする組織ですが、今、アメリカ政府や国連などに沢山の課題を突きつけられていて、2005年11月16日のWorld Summit on the Information Society (WSIS)までにその課題をクりア出来なければ多分そこでICANNは終わりだろうと言われています。
無知と笑われても仕方ないが、ICANN が上記のような切羽詰った状態にあることはよく知らなかった。
当サイトの読者ならご存知の通り、ワタシは過去数度伊藤穣一氏について批判的な文章を書いたことがあるが、一方で彼の活動で評価できるところはちゃんと評価している。具体的にいうと、クリエイティブコモンズの企業への働きかけの仕事はよくやっていると思った(シンポジウムのストリーミング放送を見て)。
ICANN に話を戻すと、伊藤氏の「電話会社的なITUよりもインターネット的なICANNの方がこういった部分を管理するにはより適切な組織」という認識には当方も賛成する。しかし、現在の ICANN でそれができてないからこその危機的状況なわけで、それを変えるとなるとかなりの重責を担うことになるのは容易に想像できる。伊藤氏にはベストを尽くし、日本代表、などという狭い枠の仕事ではなく、インターネットガバナンスをうまく機能させるためのリーダシップを発揮してほしいと思う。
要は、幸運を祈る、ということです。