- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2006/09/22
- メディア: DVD
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以前、日本盤 DVD がリリースされていない映画特集という企画をやろうとしたことがあり、その草稿を久しぶりに眺めながら検索をかけてみたら、ルキノ・ヴィスコンティの遺作『イノセント』が DVD 化されることを知る。
しかし、発売は二ヶ月以上先なんだよな。Amazon のカスタマレビューを見ると、同じ感想を4月に書き込んでいる人がいて、どういう制作体制なんだと思ったりもする。それでも今だと25%オフなので予約しておいて忘れた頃に届くというのも一興。
『イノセント』制作時にはヴィスコンティの体調も相当悪く、車椅子に座って演出をしたという話をどこかで読んだ覚えがあるが、映画は存分に色気に満ちており、そうした舞台裏をまったく感じさせない。
主題的にはこれもヨーロッパ貴族的敗北というヴィスコンティが一貫して描いてきたものだが、本作は正に終わりの終わり。主人公が妻の服を脱がせながら堕胎を迫る場面など脳みそが痺れるような快感を覚えたもので、そうした意味でワタシにとってこの映画は谷崎潤一郎の『瘋癲老人日記』や Velvet Underground の "Some Kinda Love" と同列にある。