- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2006/09/08
- メディア: DVD
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ミロス・フォアマンは偉大だと改めて思った。映画という芸術形態の頂点と確信する『アマデウス』だけ観て満足していたが、他の作品もちゃんと観ないとな。
本作はアカデミー賞主要5部門を独占した名作だが、今見てもとても見ごたえがあり、こってり堪能させてもらった。
それにしてもジャック・ニコルソンは、こうしたルーズさと凶暴さとユーモアが共存する役柄を演じさせるとすごいな。何より彼だと精神病院に入れられるという設定が不自然でない(笑)。それにクリストファー・ロイド、ダニー・デビート、マイケル・ベリーマン(!)、ブラッド・ドゥーリフ(え、知らない? チャッキーの声の人だよ)といった後に活躍する面々がズラリと脇に揃っていてそちらも見逃せない。
昔、村上龍がマイケル・チミノの映画の主人公を「放っておけない奴」とか表現していたが、本作の主人公もそうした人間である。そんなの放っておいてさっさと逃げろよという場面がいくつもある。そうした意味で本作は紛れもなくアメリカ的な映画である。
本作の題材は、公開当時より現在のほうが好意的に受け入れられにくくなっているかもしれない。しかし、結果として本作の主人公の気質がその辺りをうまく中和している。