本島等の銃撃の過去があったので、第一報を聞いたときもあまり驚くことはなく、個人的には不謹慎にもサラリーマンNEOの放送の方が気になった。
今回もてっきり右翼による狙撃だと思い込み、どうして伊藤一長が狙われるのだろうと不思議に思っていたら山口組系暴力団幹部による犯行とのこと。何かウラがある可能性がないではないが、交通事故や公共入札などを巡る市とのトラブルの延長線上の悲劇と考えて間違いないだろう。
当方は主に NHK を見ていたが、被爆地の市長というのがクローズアップされるのは仕方ないとしても、事件直後に犯人が拘束され上記の情報が明らかになってからもそればかりなのには閉口した。ましてや事件を飽くまで反核運動に結び付けようとする朝日新聞の社説は、原爆に伯父を殺されている当方から言わせてもらえば、単に胸糞悪い。
一夜明け、伊藤一長が死去しているのを知り、父親が夕食後の散歩に出た際に伊藤一長を載せた選挙カーが町内を巡る音を耳にしたことを実家に電話して聞いたとき、当方が生まれ育ち、そして今も両親が生活する中心地が銃弾により切り裂かれたことを遅れて実感し、自分でも意外に思うほど強い怒りと脅えを感じた。
事件現場はまさに長崎駅前である。三年前に新春呆談を行った魚民はすぐ近くで、さらに書けば当方の実家も程近くにある。
普段は平和な街なのに、安穏とした土地なのに、近年どうしてここで惨劇が繰り返されるのか。「今後は長崎出身とは言えなくなった。誰かが尋ねれば当分は福岡生まれか熊本生まれと言うしかない」などと恥ずかしいことを言うわけにもいかない。でも、どうしてなんだ。
元長崎市民として、故人のご冥福をお祈りします。