客観的に評価すれば、ハッカーであると同時に(それ以上に)起業家であり投資家であると言った方がよいだろう。おそらく、彼のレベルのハッカーはそこそこいるけれども、彼のレベルの起業家・投資家はめったにいない。相対的に評価して(イメージとしては世の中で何番目のハッカーか、あるいは起業家・投資家か)みれば、そういうことになるだろう。
http://zerobase.jp/blog/entry-409.html
取り上げるのが遅れたが、このエントリのように投資家としてのポール・グレアムにもっとみんな注目すべきだ。以下、Shiro Kawai さんから教えていただいた話を受け売りさせてもらう。
Paul Graham は、現在はハッカーというより戦略的な投資家である。Y Combinator が脅威なのは、彼らが選定した技術系スタートアップに属する若者たちを20〜30人くらい集めて3ヶ月、別会社でも週に一度は必ずディナーをともにして密度の濃い時間を一緒に過ごさせることである(ネット企業の成功者がゲストで呼ばれたりもする。参考)。
つまり、そうしたスタートアップに属するハッカーたちが議論を戦わせる創造的な時間を共有させ、その結果名刺交換に汲々とする業界パーティなど比べ物にならない濃い一生もののネットワークができる。
しかも Y Combinator はそれを年二回サイクルで行うので、スタートアップ同士の横のつながりだけでなく、縦のつながりもできる。
Y Combinator はシリコンバレーの次代の核を種の段階で押さえていることを目指しているが、ポイントはその時点ではシードマネーはすごく安く済むこと。一社に賭けるのではなく、MIT、ハーバード、スタンフォード、バークレイといった一流どころの大学に属する(を卒業した)トップクラスの学生が切磋琢磨するスタートアップを支援するのだから効率も良い。
Paul Graham の最終的な野望は何か。それは Nerd による世界征服である。それが Y Combinator Children により達成される日が来るかもしれない。