id:doublecrown さんが将棋本オールタイムベストテンという企画をやっていて、ワタシにもお声がかかったので参加してみる。
思い出ベースに選んでみて、純粋な棋書をあまり読んでないのに気づいた。一部著者に偏っていて、例えば羽生善治の本が入ってないのは、後でじっくり読もうと思いながら手をつけてないからである。
以下、順不同である。
五十嵐豊一『やさしい将棋』(asin:B000J8HJ2U)
正直書名は思い出せないのだが、多分これが初めて読んだ棋書で、それがこの五十嵐豊一八段のとても分かりやすく筋の良い本でなかったら、ここまで将棋にのめりこまなかったかもしれない。
原田泰夫、田辺忠幸『将棋初段への道』(asin:4092201184)
著者の一人である田辺忠幸氏は最近お亡くなりになった。
この本について過去何度か書いているが、当時小学生だった羽生善治が原田泰夫九段に二枚落で挑み、何と原田先生が勝っている(笑)
米長邦雄『逆転のテクニック―悪い将棋はこう指せ!』(asin:4819701118、asin:4819701126)
終盤に逆転勝ちするたびに、我が将棋の師米長邦雄のこの本の教えをかみしめるのである。
米長邦雄『将棋奇襲〈2〉新鬼殺し戦法』(asin:4381000684)
正直なところ棋書としての価値は現在ないのかもしれないが、升田幸三の『升田式石田流』(asin:4819703528)で得た知識とあわせ、急戦三間飛車を随分指したものだ。
でも、鬼殺しってすごい戦法名だな(笑)
河口俊彦『人生の棋譜 この一局』(asin:4101265127)
河口俊彦は何と言っても「対局日誌」だと思うのだが、それの書籍版となるとどれを選んでよいか分からないので、米長が名人位を獲得するところが収められた本書にした。
大崎善生『聖の青春』(asin:4062734249)
大崎善生の本はこれだけ読んでればいいんじゃないだろうか。これは紛れもない名作である。本書により村山聖という類稀な棋士の生涯が広く知られたことに感謝したい。
団鬼六『真剣師小池重明』(asin:4877284591)
『聖の青春』と同じく、将棋のルールを知らない人でも読める本なので是非手にとっていただきたい。
勝又清和『消えた戦法の謎』(asin:483991091X)
これは本当に良い本だったな。着眼点も棋士たちへのツッコミもいずれも的確だった。
河口俊彦『大山康晴の晩節』(asin:4101265135)
河口俊彦の長年の念願だった大山康晴論の集大成。全盛期よりも文章に鋭さと根気が欠けているのは否めないが、河口史観を受け入れる形で将棋界を見てきた将棋ファンとしてこれを選ばないわけにはいかない。
勝又清和『最新戦法の話』(asin:4861370167)
この本は梅田望夫さんや八田真行さんの感想を読んで買った本である。
現代将棋の進歩にすっかり取り残されてしまった当方としては、そのエッセンスに触れることができてとにかくありがたかった本である。