いや、笑っちゃいけないのだが、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのドラマーとして名高いモーリン・タッカーのアンソロジーが来月発売になるのを知った(上記リンク先で全曲試聴できる)。
- アーティスト: Moe Tucker
- 出版社/メーカー: Sundazed Music Inc.
- 発売日: 2012/03/26
- メディア: CD
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アンソロジーといっても2枚組だし、ヴェルヴェッツの曲の再演がそれなりの割合を占めるのだが、どうも彼女は存在自体に憎めないところがある。
大体彼女はドラマーとしての基本的な能力からしてない人なのだが、この人のリズムキープという概念すら無視したドラミングをルー・リードが称えていて、確かにヴェルヴェッツの曲には彼女の木魚ドラムがぴったり合っていたのだ(嗚呼、彼女がドラムを務めた1990年のルー・リード来日公演を見たかった……)。
そんな彼女も10年近く音楽活動から遠ざかっており、数年前 Tea Party の集会に参加したところ偶然テレビにインタビューされた映像が波紋を呼んだが、それについて聞かれたときのコメントはそれなりに筋が通っていた。
リベラル派ってみんなのことが好きじゃなかったの? 貧しい人とか、移民とか、ゲイとか、障害者とか、マイノリティーとか、犬とか、猫とか、いろんな色の目の人とか、いろんな色の髪の毛のひととか、平和とか、愛とか、そんなの全部嘘でしょ? 自分たちとまったく同じように考えない人に対してまるで寛容じゃないというところがとても興味深いところね。反対すると即座にバカ扱い、ナチス扱い、差別主義者扱い。それって相当におかしいわよ!
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのモーリーン・タッカー、ティー・パーティ支援について初めて語る (2010/10/21) 洋楽ニュース|音楽情報サイトrockinon.com(ロッキング・オン ドットコム)
このアンソロジーがいくらか売れて彼女の暮らしが少しは裕福になってほしいし、少なくとも Tea Party の集会に行かずに済むようになってほしい。