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2017年もルー・リードの本が二冊出ていた

2015年には暴露本的伝記、2016年には最初の奥さんの回顧録が出て、さすがにこれに続く本はなかろうと思っていたが、2017年もルー・リードの本が2冊出ていた。

まずは有名なフォトグラファーにして、ルー・リード生前最後のインタビューを一緒に行うなど長年親交が深かったミック・ロックとの連名による Transformer という豪華限定本。Amazon では売っていない。

これは言うまでもなく、ルー・リードの代表作と同じタイトルだが、要はあのアルバムのジャケットを撮ったのもミック・ロックだったのか。

そしてもう一冊は、Rolling Stone や New York Times などへの寄稿で知られるジャーナリスト Anthony DeCurtis による伝記本『Lou Reed: A Life』である。

Lou Reed: A Life

Lou Reed: A Life

Lou Reed: A Life (English Edition)

Lou Reed: A Life (English Edition)

ジャーナリストとしてリードと20年以上の親交のあった著者が「ルーの生前にこの本を書いていたら、彼は二度と口をきいてくれなかったろう」と語る決定版な伝記本なので、個人的にはこちらについては邦訳が出てほしいところだが、売り上げ予測を考えると難しいんだろうな。

Pitchfork にこの本から学べる5つの話を紹介している。

  1. リードは『ベルリン』への辛辣な批判にとても傷ついていた
  2. リードの電気ショック療法体験は、彼の家族を引き裂いた
  3. リードは性転換者のパートナーだったレイチェルと大恋愛(もっと暴力的で背徳的なイメージか)をした
  4. ローリー・アンダーソンが現れるまで、リードの恋人/妻たちは彼の雇用者扱いだった
  5. リードは1980年代にヴェルヴェット・アンダーグラウンドの再結成で金を稼ごうとして失敗した

うーん? 電気ショック療法の話が彼の性的志向の「治療」のために行われたという定説は、以前にも彼の妹が否定していたね。4番目の話は、暴露本的伝記でも恐らくは語られている、リードの女性に対する扱いの悪さについての話なのだろうな。5番目のヴェルヴェッツの再結成の話はちょっとおかしいような。

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