緊急事態宣言も出たし、同様の企画を公開している人はいるに違いないが、そういうのは調べずにワタシもやる。もういつまでワタシもブログを更新できるか分かったものじゃないし。
まずは、5年前に既に現在の状況を予測していたのかと怖くなるビル・ゲイツの「もし次の疫病大流行(アウトブレイク)が来たら?私たちの準備はまだ出来ていない」をまだ見てない人がもしいたら、まずはここから始めよう。
最初の1分以内に声をあげそうになるし、この時点で無症状のウィルスによる都市への蔓延の危機を正しく見通している。さすが、おれたちのゲイツ。少し心の余裕が出たら、Netflix の「天才の頭の中: ビル・ゲイツを解読する」もおススメよ。
さて、新型コロナウイルスに話を戻すと、これが問題視されるようになった時期に急遽収録された、デヴィッド・ヘイマン、アダム・クチャルスキー、アラナ・シェイクの講演(インタビュー)動画を次にどうぞ。
もう分かり切った話に感じる人もいるだろうが、現在のように刻一刻と状況が変わるのだから仕方がない。それにしても TED の対応力というかフットワークの軽さはさすがである。
そして最後は、3月後半に収録されたビル・ゲイツとクリス・アンダーソンの対談 How we must respond to the coronavirus pandemic である。残念ながら、本文執筆時点でこの動画には日本語字幕がついていない。
ここでもクリス・アンダーソンが最初に話題にするのは、上でリンクしたビル・ゲイツの5年前の講演であり、「あのときの警告を人々は真剣に聞きましたか?」という問いに、ゲイツが「基本的にはノーですね」と答えている結果が今の世界の有様である。
英語字幕を入れればだいたい話は分かるが、そうでない人もいるだろうから、有志による日本語字幕の公開を期待したい……が、50分超だからさすがにすぐには無理か。そういう人たちは、「ビルゲイツへの新型コロナウィルスに関する31の質問とその答え」を読んでおくのがよいですかね。
さて、ゲイツ夫妻の財団は新型コロナ対策に期待の7ワクチン工場建設に資金を出しており、数十億ドルが無駄になることを想定しながらとにかくワクチンの開発を急ぐのは、さすが世界的大富豪というべきお金の使い方である。100万円だかチンケな額をちらつかせて貧乏人をひれ伏せさせ、自己顕示欲を満たすカッペとは格が違う。
このワクチン開発が運よく功を奏したら、おそらく彼はノーベル平和賞を受賞するだろう。ワタシとしては、とにかくその幸運を祈りたい。
上で講演を取り上げた人の中で、アダム・クチャルスキーは『ギャンブルで勝ち続ける科学者たち: 完全無欠の賭け』(asin:4794224273)の邦訳が出ているが、「コンテイジョン(Contagion)」という単語が書名に入る新刊が今秋出る(Kindle 版は既に出ている)。もちろん伝染病よりも情報の拡散が主なテーマなのだろうが、これも注目である。

The Rules of Contagion: Why Things Spread--And Why They Stop
- 作者:Kucharski, Adam
- 発売日: 2020/09/15
- メディア: ハードカバー