少し前に仕事場のローカルに立てている、今や主力でなくなったウェブサーバに久しぶりにアクセスしたら、Wiki が PukiWiki なのに懐かしくなってこれまた久しぶりに公式サイトを見てみた。すると、今年バージョン1.5.4がリリースされており、開発は継続しているのに少し感動した。
かつてはそれこそ雨後の筍のごとく開発されていた Wiki ソフトウェア(エンジン、クローン)だが、Wiki が広義の開発環境の一つに統合されているのもあり、単体のソフトウェアとして今も開発が続いているところはだいぶ少なくなった印象がある。
果たして今も開発が継続しているオープンソースの Wiki ソフトウェアに何があるか、ざっと調べてみた。
具体的には、Wikipedia の Comparison of wiki software に名前があるもので(それくらいの知名度があり)、オープンソース、なおかつ安定最新版が2022年中にリリースされたものである。
これは少し厳しい基準かもしれないが、もう今年も10月だしねぇ(早い……)。Wikipedia の情報が古いところもあり、だいたい以下の感じになる。
ソフトウェア名 | 最新版リリース日 | ライセンス | 言語 |
---|---|---|---|
BlueSpice MediaWiki | 2022-01-20 | GPLv3 | PHP |
BookStack | 2022-09-20 | MIT | PHP |
DokuWiki | 2022-07-31 | GPLv2 | PHP |
Foswiki | 2022-03-28 | GPLv2 | Perl |
MediaWiki | 2022-06-30 | GPLv2 | PHP |
PhpWiki | 2022-01-24 | GPL | PHP |
PmWiki | 2022-09-25 | GPL | PHP |
PukiWiki | 2022-03-30 | GPLv2 | PHP |
Tiki Wiki CMS Groupware | 2022-03-02 | LGPLv2.1 | PHP |
Wiki.js | 2022-05-23 | AGPLv3 | JavaScript |
XWiki | 2022-08-29 | LGPL | Java |
というわけで、PukiWiki を含めて10個程度になるが、これを少ないとみるか、結構残っているとみるか。
この中で世界的にもっとも利用者が多いのは、Wikipedia でも利用されている MediaWiki に違いないが、それを除けば日本ではやはり PukiWiki だろう。この中で新興勢力と言えるのは、ワタシも2年前にブログで取り上げた Wiki.js ですかね。
プログラミング言語では、ウェブアプリなので PHP が圧倒的に優勢なのは予想通りだが、Python で書かれたものが皆無なのは意外だった。
そういえば今から20年前(!)、『Wiki Way コラボレーションツールWiki』刊行を受けて、ワタシは日本発の wiki クローンリスト、日本発の wiki クローンリスト2を書いているが、そこで取り上げた中で今も開発が継続しているのは、PukiWiki を除けば WiLiKi(GitHub)だけのようだ。