Ethereum の「Proof-of-Work(PoW)」から「Proof-of-Stake(PoS)」ブロックチェーンへの移行、通称「Merge(マージ)」は先月無事完了した。
この影響でGPUを用いた仮想通貨マイニングが儲からなくなったという報道もあるが、批判が強かった消費電力の削減になれば素晴らしいに違いない。
マージの完了を受けてイーサリアムの創設者ヴィタリック・ブテリンが Wired のインタビューを受けているが、その中で彼が初めての著書 Proof of Stake を出していたのを知った。副題を見ても、彼のここまでの活動の集大成というか読み物としてのイーサリアム本の決定版になるのではないだろうか。
しかし、自主出版ならともかく、Proof of Stake をズバリ書名に冠した本を大手出版社から出したのはすごい度胸だ。当然、ヴィタリック・ブテリンはマージに自信があっただろうが、PoS への移行が大失敗に終わり、その直後の刊行になっていた可能性も一応はあったわけで。
著者のヴィタリック・ブテリンと名前を連ねる編者の Nathan Schneider の名前には見覚えがあったので自分のブログを検索したら、「【邦訳期待】(Wiredの)BackChannelチームが選出した2017年最高のテック系書籍11選」でこの人がやはり編者を務めた Ours to Hack and to Own を取り上げていた。うん、この人が編者なら、しっかりした内容の本になっているのが期待できる。
『Proof of Stake』の推薦者を見ると、「バーチャルリアリティの父」にして、アンチソーシャルメディア本も出しているジャロン・ラニアーが、この本並びにヴィタリック・ブテリンを讃えているのが目を惹いた。イーサリアムのことは好意的に見ているのか。
今頃すごい勢いでこの本の邦訳が進んでいるのではないかと推測する。