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アンソニー・デカーティス『ルー・リード伝』刊行を心から喜ぶ

鈴木智彦さんのツイート経由で、アンソニー・デカーティスによるルー・リードの決定的伝記本の邦訳『ルー・リード伝』の刊行を知る。

ワタシがこの本の原書をこのブログで紹介したのは2017年末で、ジャーナリストとしてリードと長年親交のあった著者が、リードの良い面悪い面分け隔てなく書いた決定的な伝記本ということで、邦訳を期待した。

だが、その時点でジェレミー・リード『ワイルド・サイドの歩き方 ルー・リード伝』の邦訳が出ており、それは難しいかなというのが正直なところだった。

しかし、である。ワタシはジェレミー・リードの本を2018年になってようやく読み、率直に言ってかなり失望した。

さて、実は今、牛歩を歩みでジェレミー・リード『ワイルド・サイドの歩き方 ルー・リード伝』(asin:4907435614)を読んでいるところだが、著者の独断が鼻につく上に不十分な記述が散見される本で、正直読んでいてところどころイラっとくる。なんでこれをルー本人が評価したのかよく分からない。

しかも、ピーター・ドゲット『ルー・リード ワイルド・サイドを歩け』(asin:488682174X)と同じ情報源を訳しながら、訳が悪くなっている箇所もある。

これが決定的な伝記になるのはシャクなので、Anthony DeCurtis による伝記本『Lou Reed: A Life』の邦訳が出てくれることを期待してしまう。

2018年に刊行されたルー・リード関連書籍の紹介 - YAMDAS現更新履歴

ジェレミー・リードの本が素晴らしければ、失礼ながらそんなに売り上げが見込めないルー・リードの他の伝記本が邦訳されるチャンスはなかったのではないか。失望したのはワタシだけではなかったということかな。

「本書は苦痛を美に変えている。ルー・リードの音楽のように」というボノの推薦の言葉に期待が高まる(あと余談ながら気づいたので書いておくが、スティングのコメントにある「火の中をくぐって」は、"Magic And Loss" の歌詞からとられてますね。チョイスがマニアックやな)。

そういう経緯があるので、アンソニー・デカーティス『ルー・リード伝』の刊行を心から嬉しく思っている。まぁ、なかなか値の張る本であるが、もちろん買って読みますよ!

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