当ブログは YAMDAS Project の更新履歴ページです。2019年よりはてなブログに移転しました。

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はてなへの住所登録の義務化撤回について

今更だが、はてなユーザとして一言触れておく必要があるだろう。

当方は、はてなの方針転換(白紙撤回)を支持します。

今回の決定をくだすまでには社員の間でも相当な逡巡があったこと、その決断は苦渋をともなうものであったことがが容易に想像されますが、記されている根拠は納得のいくものですし、また非常に懸念を感じたセキュリティ対策に向けての方針を読んでも相当に勉強された印象を受けるもので、好感がもてるものでした。

何より、はてなの皆さんにひとまずお疲れ様と書いておきます。以上。

RSS、BitTorrent、iPod周りの話。そして……Atomはどうなるの?

最近 RSSBitTorrent 関係の話題を目にすることが多いが、このあたりの話はいきなりぽっと出てきたわけではない。この話題はDiscreet Blog が断続的に取り上げており、参考にさせてもらってます!

BitTorrentRSS の連動というのは、Steve Gillmor が既に昨年の段階で書いていたことなんですな。ワタシは鈍いので、BroadCatching と言われても未だピンとこないところもあるのだが、HowTo文書を読むとかなり話は具体的になっている。TiVo との連動とかいかにもな感じだし。

岩田さんのエントリを読めば分かることだが、注意しなければならないのは、ここでいう RSS とは、日本で主流の RDF ベースの RSS 1.0(Rich Site Summary)ではなく、Dave Winer 主導の RSS 2.0(Really Simple Syndication)であること。

昨年「Blog戦争:RSSはどこへ行く?」なんて記事が書かれた頃には、反デイブ・ワイナー連合、と書くと明らかにミスリードだし怒られるだろうが、とにかく Atom への期待は大きかった。Atom が主流になるとデイブ・ワイナーも元気を失うのかなと思ったりしたが、それは杞憂で RSS2.0 ベースの動きは一貫して活発で、特に最近では以前にも紹介したポッドキャスティングPodcasting)周りの動きもあって元気満々という印象がある。

その iPod 関係では RadioPod なんてのもリリースされており、津田大介さんが以前書いていた「ラジオコンテンツのアーカイブ化、再利用」が実現されないか楽しみだし、RSS リーダ FeedDemon の作者もポッドキャスティングと BitTorrent のサポートを表明するなど、アルファギークな方々は、当分この分野から目が離せないのではないか。

またちょうどタイミング良く百式で PodcastAds が紹介されており、RSS の商業化とあわせそれを起点としたビジネスも模索中といったとこだろうか。

さて一方で、一時期はあれだけ盛り上がっていた Atom 関係はどうなったのだろう。IETF の Atom ワーキンググループでドラフト第三版が公開されたときには、「Atom も RSS と同じ道を?」に書かれるような不満を目にしたが、当のワーキンググループのチェアマンを務める Tim Bray が、Atom ワーキンググループの終了について言及している(個人的には、この文章があんまり話題にならないのが不思議である)。

今頃、デイブ・ワイナーは高笑いしているのだろうか。ワタシは非常に狭い範囲しか巡回していないので大勢がつかめてないので、間違いがあったら指摘してください。

追記:Atomワーキンググループ終了というより、Atomが完成が見えてきたというほうが正しいとのこと。そうか、最初の文章で先入観をもってしまい、後の文章を言い訳のように読んだのは誤読でした。というわけで逆リンク!:http://webweaver.g.hatena.ne.jp/kotastyle/20041128#p1

「フィリップ・マーロウ風の気取り」とは何ぞや?

仲俣暁生さんが「半熟派にとってのハードボイルド」という文章を書かれている。

『大いなる眠り』を「三分の二まで読んでもまったく入り込めないので放棄し」たそうで、文面からすると『長いお別れ』も(当該エントリを書いた時点で)読まれてないようだ。その段階で「ハメット>マクドナルド>チャンドラーというひどく乱暴な価値判断」をされ、以下のように続けている。

そもそもぼくの世代にとって、チャンドラーのフィリップ・マーロウ風の気取りはださい、カッコ悪い、という価値観が前提としてまずある。

一冊も読み通すことなく価値判断をするのは勝手だが、ワタシは『長いお別れ』が死ぬほど好きな人間なのでムキになって反論させてもらおう。

フィリップ・マーロウ風の気取り」とは何ぞや? そもそもフィリップ・マーロウは気取っているのか。ワタシはそれは違うと思う。フィリップ・マーロウの言葉はつまりは小説上の彼の生きる姿勢を反映したものだが、探偵という後ろ暗い稼業、言うなればモンキービジネスを営みながら、またそれに屈託するだけの知性を持ち合わせながら、不本意な妥協、切り売りを強いる世間に対して、自身の信念をごまかすことなくプライドを守り抜こうとする果敢さのあらわれである……と書くとかなりダサいが、確か福田和也も同じようなことを書いていたと記憶する。「シェイクスピア以来の英国文学からきている」というのもあるだろうが、対峙する事件、そして探偵としての自分と何とか折り合いをつけようとするための迂回も含まれているからこそ、あの独特の言葉遣い、言い回しになったのだとワタシは解釈している。

しかし、日本の作家による「ハードボイルド」となると、(良質のものであっても)どういうわけか一足飛びにダンディズムやナルシズムと結びついてしまうものが多い。乱暴に書けば、(主に)男のロマン、みたいなかっこつけの話になってしまう。マーロウが体現する、後ろ暗さを認識した上で自身のプライドを守ろうとする苦闘、またそれに付随する良質のセンチメンタリズムが描かれることは少ない。

チャンドラーが完璧な作家だというのではもちろんない。『大いなる眠り』にもはっきりと出ていることだが、その小説の骨格をなす事件自体の「弱さ」はよく言われる。後になって、チャンドラーのあの小説の犯人って誰だったっけ? などということもあるくらいである。でもそれは、「フィリップ・マーロウ風の気取り」とやらとは基本的に関係ない話だろう。

それに第一、「前提」となる「ぼくの世代」の「価値観」ができるほどチャンドラーが仲俣さんの世代に読まれているのだろうか。ワタシは仲俣さんよりおよそ十歳年少なのでよく分からないのだが、仲俣さんのように一冊も読み通すことなく(「仲俣さんのように」がかかるのはここまで)、日本のハードボイルド小説の印象を、流通しているフィリップ・マーロウの言葉にあてはめて甘く見ているだけではないか、という疑いを持ってしまう。それこそ「ギムレットには早すぎる」という言葉をマーロウが言ったものだと思い込んでいる手合いのような底の浅さを感じるのだが、いや(自分以外の)同世代の人間はちゃんと読んで判断してるぞ、ということであれば謝ります。

仲俣さんの世代にチャンドラーがどう受容されているかということにワタシは興味はない。そしてジャンルとしてのハードボイルドの位置づけなどにも興味はない。矢作俊彦の言葉を借りるなら、ワタシは「ハードボイルドが好きなのではない、チャンドラーが好き」なだけなのだ。

はい、「気取り」というのは、↑のような文章を指していうべき言葉なのです(笑)

Excite Bit コネタ

こんなコーナーができてたんですな。同じく Excite の世界びっくりニュースとあわせれば、ブロガーの皆さんはネタに困らないのではないのでしょうか。

しかし「世界びっくりニュース」のようなサイトに関わるとなると、海外ボツ!NewsABC(アメリカン・バカコメディ)振興会は更新ネタに困るんではないだろうかと余計な心配をしてしまったが、そんなことはないんだろうな。

インターネットマガジン2005年1月号

献本いただいたので、感想を箇条書き。

  • p.63の「待望(?)のFirefoxバージョン1.0が正式公開」の(?)って何なんだ? 何か含むところでもあんのか?
  • 特集のアフェリエイト講座はワタシには関係ない話題なのだが、伊藤直也さんが書くはてなの広告配置の話は、自分が普段見ているページであり内容も具体的なのでとても興味深く読めた
  • で、アフェリエイトだけど、サラリーマンでも収入20万円を越えると確定申告しないといけないぞ! 件の特集でそのあたりまで踏み込むのは……いくらなんでもやりすぎかな
  • アクセス解析の傾向と対策」だが、アクセスログ解析ツール&サービスの話はこれから需要が伸びると思う。特にツールの話題は、特集は無理にしても定期的に何かしら取り上げるべきでは
  • 「インターネットの気になる法律相談所」、今回はネタが薄く期待外れ

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