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坂村健と週刊ダイヤモンド

上でリンクした反応リンク Wiki ページから、今回問題となった文章や主要な反応を辿ることができるだろう。

もう完全に収束した話だと思うが、当方も /.J の AC の表現を借りるならピシャリとやった手前、少しは書いておく。

八田真行さんについては以前にも書いたが、japan.linux.com で発表した文章でも、例えば GNU GPL についての解説文章などでは素晴らしい明晰さを発揮するのに(そしてそれが氏の実力であり本領だと思う)、今回の文章や過去の「オープンソースの現実、と若干の理想(上)(下)」を読む限り、文章で扱う対象がフリーソフトウェアコミュニティの外にいる人間に向かうと、ひどく戦略性に欠けた、余裕のない文章を書いてしまうことがあるようだ。

八田さんは「もしあの雑誌の記事が正しかったのならば、私の批判を撤回する必要は感じません」と強弁しているが本当にそうだろうか。あの週刊ダイアモンドの記事を見て、どこまでが坂村健による発言・主張かの切り分けにいきなり間違っている時点で、当方はかなり危ういものを感じるのだが。

こんなことを書くと迷惑に思われるかもしれないが、八田さんは紛れもなくフリーソフトウェアコミュニティのスポークスマンの一人である。少なくとも日本においては、その主要な一人、である。それは、八田さんの文章を受け売りして、週刊ダイアモンドを買うなどして問題の記事を確かめることももせずに安易に坂村健を叩く文章をウェブ日記などに公開する人間が散見されたことからも明らかである(当たり前だが、それについては八田さんには責任はない)。

しかし、例え「もしあの雑誌の記事が正しかった」としても、今回のような文章でフリーソフトウェアコミュニティの外側にいる人間に真意が伝わり、主張の正当性を評価してもらえると思ったらそれは間違いである。むしろそうした人達にも言葉を届けていくことこそがこれからますます重要になるはずなのだし、八田さんはそれができる人だと思うのだが、今回の文章はニュースサイト(なんでしょ?)に書く文章じゃない。

いずれにしても八田さんにはこれからも健筆を奮ってほしいと思うし、粘着に悪口書いている人間など吹き飛ばすような活躍を期待します。

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