囲碁の藤沢秀行名誉棋聖がはじめて棋聖位を獲得した当時、長年の荒んだ生活がたたり、借金で首が回らない状態だった。だから棋聖位獲得でもらえる賞金は何より重要だった。藤沢秀行は読売新聞の担当者にその金額を聞き、その額をそのままもらえるのかと驚きながら念を押した。つまり、それだけ多額だったということである。
彼は電話の元に走り、自宅に電話をかけた。受話器の向こう側の糟糠の妻に対し、藤沢は叫んだ。
「かあちゃん、金が入るぞ。今から帰るからオマンコしよう!」
彼を尊敬する米長邦雄名誉棋聖(こっちは将棋)は、50歳にして最年長で念願の名人位を獲得した際、自宅に電話をかけ、同様のことを言ったとされる。
異論はあるだろうが、ワタシはこの話が好きである。この話を教えられ、感銘を受けたスタンリー・キューブリックが、遺作『アイズ・ワイド・シャット』の最後の台詞を、"Fuck" で終わらせたという話は意外と知られていない。
きたさんが出世されたとのことで、おめでたく、なおかつ羨ましい話だと思う。で、出世おめこめ&おめリンクという言葉を見たとき、ワタシが連想したのは上の話である。結果としてきたさんの期待通りのツッコミをしてしまったわけだが、その過程にはこういったドラマがあることをご理解いただきたい。
きたさんも奥さんを大事にして、お仕事に励まれてください。しかし、やっぱりだアレだね、きたさんもその日は家に帰るなり奥さんに向かって、「出世したぞ、オ(以下、自主規制)
……えーと、まさか本気にする人はいないとは思うが念のため書いておくと、上の文章におけるスタンリー・キューブリックのくだりはまったくのウソなので、うっかり引用したりせぬようお願いします。