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愛情は変わらず、信頼が失墜した

さて、今更だがやはりはてなユーザとして、今回の登録情報の追加問題について書いておく必要があるだろう。

といっても当方が言いたいことは、テラヤマアニさんが既に大方語ってしまっており(その1その2)、その繰り返しになってしまうのだが。

……ああ、ダメだ。さっきからここから書いては消し、書いては消し、時間ばかりが過ぎる。書くのに痛みを覚える。

当方は両親に冷血漢呼ばわりされる程度には人格破綻者なのだが、正直自分にこういう感情が残っているとは思わなかった。端的に言えば、はてなが好きなのだ。

二度宴席をご一緒させていただいた近藤淳也さんをはじめ、田中さんを除くはてなの社員全員にワタシはお目にかかる光栄に浴している。近藤社長はワタシがイメージしていた通り器の大きな方だったし、社員の皆さんもとてもチャーミングな方ばかりだった。しかし、この一件で、ワタシのはてなに対する、少なくとも情報の安全性に対する信頼は失墜したということは書いておかないといけない。

はてなの社員の方は、自分の身に置き換えて考えなかったのだろうか。自分が利用しているネットサービスからメールが届く。今登録している情報では足らないから、住所と実名を入力しろと。それでほいほいと情報を入力するだろうか。プライバシーポリシーへの適切なパスも示すことなく、SSLの適切な設定もなおざりな状態で、である。

当方はテラヤマアニさん同様に、はてなから書籍を購入するときに嬉々として住所を入力している。それに実ははてなの社員の方には当方の実名を含むもっと踏み込んだ情報を握られているくらいで、はっきりいって住所を登録すること自体は個人的には問題でもなんでもない。

しかし、以前より社内で検討を重ねた結果、このような極めて杜撰な状態で個人情報を求めたとなると、株式会社はてなの社員によるユーザの個人情報の扱いに重大な懸念を持たざるを得ない。こうなってみると、ユーザに対する強制をごまかすかのような「キャンペーン」、「プレゼント」といった言葉の使用が、ユーザに対する後ろ暗さに見えてくるから不思議だし、何より胸糞悪い。もう一度書く。胸糞悪い。

ダイアリーに新機能を導入したがうまく動かない場合があるとか、社員の一人が勘違いして公式見解と違うことを書いてしまったとかいったレベルの話ではないのだ。はてなのトライ&エラーのやり方には好感を持っているが、それが許されない分野というのがあり、今回がそれにあたることが分からなかったのだろうか。

トライ&エラーといえば、大体利用規約にしろ、プライバシーポリシーにしろ、まだ発効されてもない状態じゃないか。それなのに一足先に住所・実名登録が決定事項として要求される。はてな利用規約について一生懸命頭を悩まし、考えて長文をはてなに送ったのが馬鹿馬鹿しく思えてくる。こんな調子では、半年後には「すいません、住所の入力してもらいましたが、早急に連絡をつける必要があるのでやっぱ電話番号も入力してください。これは強制ですがキャンペーンです」なんてことになる……わけはないはずだが。

さて、はてなから今回の要請についての背景情報が公開されている。上で書いたことの回答になっているところも少しだけあるが、やはりこれを読んでも、ユーザに住所の入力を要求する妥当性について納得できない、というのが当方の現在の見解である。「いや、実ははてなはそうした情報が必要なサービスを始めるんだよ」と期待をかけるむきがあり、以前ならワタシもそう思ったかもしれないが、上記の通り今はそのようにはてなの事情を(勝手に)斟酌するのが馬鹿馬鹿しい年頃なのだ。

大体、ここで述べられている問題を速やかに解決する道筋をつけるというのもはてな利用規約改訂の一つの大きな動機だったのではないか? 利用規約に従い(警告の後)必要であれば問題箇所を削除すればよいだけの話ではないか。いしなおさんも書く通り、司法機関などへのIPアドレスの開示以上のことが必要な理由が当方にはさっぱり分からない。このあたりについては当方のような素人の意見よりも現役の弁護士である落合洋司氏がしっかり書かれているのでそちらを読んでいただくほうがよいだろう。

それではワタシはどうするか、ということになるのだが、とりあえず保留状態ということで日和らせてもらう。前述の通り、既に登録済の情報に加え、住所・実名登録自体は別に今すぐだってやったって構わないのだ。ただ現在かなり嫌気がさしているので結論は急がないでおく。

それに重要な要素としてあるのが、これからワタシ自身ものすごく忙しい状態に陥る予定なので、サイト更新自体ままならなくなるというのがある。そしてワタシは病的なまでのめんどくさがりな上にサイトの整合性には異様にこだわる人間なので、結局はずるずるとはてなダイアリーを利用し続けることになるかもしれない。

問題は、情報を登録しなかった場合、はてなを利用できなくなる、というのがどういう状態を指すかである。アンテナは利用できないとして、ダイアリーの過去ログはそのまま表示され、追加編集ができないのか。それともまるごとすっぱり削除されてしまうのか。残ったはてなポイントはやり取りできるのか。

もし移行となった場合、他サービスを使う気はないので、全部 yamdas.org に集約する形になる。以前はプロバイダスペースだったからウェブロサービスを使うしかなかったが、現在はそういう制約はない。更新履歴形式を堅持するならツール的には tDiary が一番近いのだが、過去ログの移行は難しそうだし、もうこれを機会にサイト全体をウェブロツールで構築しなおすという手もある。どうせシンプルでいいのだから blosxomプラグインを絞って。しかしなぁ、これまでの「形」にも愛着があってねぇ。それなら、rNote あたりか。はっ、ワタシのさくらインターネットの利用コースでは PHP が使えない! うー、そうそうアンテナのほうは……あー、めんどくさい!

なお、はてなで利用している有料サービスは当ページにはっているはてなカウンターだけだが、利用解約を行い、当ページからも外させてもらった。

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