当ブログは YAMDAS Project の更新履歴ページです。2019年よりはてなブログに移転しました。

Twitter はてなアンテナに追加 Feedlyに登録 RSS

うさんくさいたこつぼ問題(←勝手に名前つけるな)

一つ疑問なのが、「そういえば最近はてブというのを見ることがあるけど何なの?」と知人に言われ、近藤さんがどう答えたのかということ。

おい、はてなの社長さんよ、もちろんそのときはてなブックマークの魅力を存分に語り、知人を納得させたんだよな? まさか自分たちが作ってるものの面白さを知人に伝えられないで、ユーザが狭いだの愚痴たれてんのか? そんな社長は犬に座を譲れや。

なーんてね(笑)

後者の文章を読むと、PC ネットの先端ユーザのやることが一般のネット利用者に広がるというこれまでのサイクルが変わるのではないか、という近藤さんの危機感が分かる。それなら前者の文章で、はてなブックマークの人気エントリを例に出したのは適切でなかったのではないか。それが主流になったらテレビとかと変わらなくなっちゃうのでは、というのは mixi ニュースを見ればクリアに予想できるわけで。

近藤さんが考える不安についてはワタシも思うところがあったので、先月はてなに押しかけたときに、Wii のテレビの友チャンネルが家庭のデフォルトの選択肢になる未来(を考えると、Rimo の降格は残念でならない)について近藤さんにまくしたてさせてもらったし、あとモバイル+位置情報をいかにうまくウェブサービスとつなげ、ユーザの生活を豊かにし、コミュニケーションチャンネルを増やしていくか、というのもやはりまくしたてた覚えがある。そうした意味で Where 2.0 をやってるオライリーは偉いと思うし、一部で失笑を買っていた Michael Arrington の「私は最近SNSの未来の姿を見てしまった―まだ名前は言えないが」という大見得も多分そのあたりを言っているのだろう。日本にも例えば PlaceEngine とか面白いベンチャーあるよね。

ヘビーユーザーの嗜好や意向すらちゃんと捉えられないようでは世界は変えられない、とは実はワタシは思わないのだけど、それはともかく少し気になるのは、近藤さん、はてなユーザを買い被り過ぎなんじゃないの? ということ。

だってさ、今だってネットジャンキーやギーク層がはてなユーザの多数派なわけないでしょ(多分)。ユーザ層を広げたいのに、あなたがネットジャンキー層のほうばかり目を向けて嘆いてどうするよ。

新サービスもいいけど、ユーザ層を広げたいなら、はてなのサービスのユーザビリティ向上は当然として、今既にいる一般ユーザ層に適度な注目があたり、そうしたユーザ層にとってはてなが居心地がよいと分からせて、更なる一般ユーザ層が入ってくる好循環を生み出すための努力やらないとダメっしょ。

ギーク層なんてほっといても活発に動く。完全に内向きな日記は除くとしても、声のでかいユーザ層に受けにくいものでも面白いコンテンツはいくらでもある。それをうまく掬いあげる「編集力」がはてなに必要じゃないの? エキサイトブログの取り組みなどは方向性は違うだろうけど、ワタシが「例えば開始から一月未満の面白くなりそうなダイアリーをレコメンドする場があると、はてなブックマークに見られる話題の偏りとは離れた「入りやすさ」につながらないか」と書いたのはそういうこと。

何が最先端で次に何が来るかなんて誰にしろそうそう分かるもんじゃない。最先端ならばそれで一件落着なわけもない。「ちゃんと生きて、ちゃんとものづくりをする」そこから始め、「はてなはユーザを作る会社です」と言えるところまで行ってください。

[YAMDAS Projectトップページ]


クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
YAMDAS現更新履歴のテキストは、クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。

Copyright (c) 2003-2023 yomoyomo (E-mail: ymgrtq at yamdas dot org)