- 出版社/メーカー: 20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント
- 発売日: 2005/02/04
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これも以前から観たいと思いつつどうも後回しになっていた映画。
ジーン・ハックマンが若かった。1972年の映画だから当然だが。
さて、本作はパニック映画のさきがけにして最高のものの一つだが、客船を舞台にした映画は、それこそ『タイタニック』のような時代物か、さもなくば『グリード』のように怪物を出さない限り、今では成立しにくいのだろうな。
豪華客船が転覆し、天地がさかさまになったという設定をいかした脱出劇は今観てもハラハラさせられるし、また人間ドラマも適度にキャラ立ちした登場人物たちの対立をはらみながら、しかし無用にドロドロしてないのが良い。ハックマン演じる牧師が物語をぐいぐい引っ張るわけだが、もう一人の牧師も語る通り、彼の行動規範は紛れもなく強者の論理である。ワタシがあの場にいたら、ぐずぐずしているうちに『13日の金曜日』シリーズで二番目に餌食になる高校生並みの速さで海の藻屑と化したに違いない。
そして多くの人が指摘済みだろうが、現在我々がこの映画を語るにあたりどうしても触れなければならないのは、『裸の銃を持つ男』シリーズでおなじみレスリー・ニールセンが船長役で渋い演技をみせていること。コメディやってた人が性格俳優に転向という例はいくらでもあるが、半世紀近く映画に出続けながら年を取るに従い役柄がくだらなくなるというのはこの人ぐらいじゃないかね。