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John Cale, Slow Dazzle

Slow Dazzle

Slow Dazzle

ジョン・ケイルの仕事で広く知られているのは何といってもヴェルベット・アンダーグラウンドだろう。今年公開されるイーディ・セジウィックの自伝的映画『Factory Girl』ではウィーザーのメンバーがルー・リードジョン・ケイルが演じるらしいとか、93年のヴェルベッツ再結成ライブの DVD もまもなく日本でもリリースされるとか現在もそっち関係の話題にはことかかないが、彼のソロでワタシが自信をもってお勧めするのは、70年代アイランド・レコード在籍時の作品である。

ちょうど『Slow Dazzle』が980円だったのでこれを取り上げたが、実を言うとアイランド時代のアルバム三枚+未発表曲数曲を CD 二枚に収めた『The Island Years』のほうをお勧めしたい(このアルバムは iTMS でさらに安価に買える)。

The Island Years

The Island Years

この当時のアルバムのポップさとエキセントリックさの共存は、これらにプロデュースで参加しているブライアン・イーノの同じく70年代の作品と共通するものだが、イーノのアルバムに比べると実験性よりも(ケイルにしては珍しい)ロック的攻撃性が勝っている。

特にこの『Slow Dazzle』を聴くと、パティ・スミスのアルバムのプロデュースといったパンク期のケイルの仕事につながるのがよく分かる。"Dirty-Ass Rock 'N' Roll" 、"Darling I Need You" あたりなどまさにそうだし、一方で楽聖ブライアン・ウィルソンに捧げる "Mr. Wilson" や "I'm Not the Loving Kind" の美しさなど聴きどころは多いが、ベストトラックは何と言ってもプレスリーの "Heartbreak Hotel" の凶悪なカバー。死ぬほどかっちょいい。

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