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観戦記の面白さを優先した昭和将棋名局集という切り口はどうだろう

シリコン・モッチの金子金五郎ラブが止まんないぜ、ベイビー

現実には金子金五郎の本の入手はなかなか難しいわけだが、梅田望夫さんの文章を読んでいて、「観戦記の面白さを優先した昭和将棋名局集」という切り口ならどうだろうと思った。

将棋の対局を本にする場合、ポイントとなるのは基本的に以下の四点だと思う。

  1. 対局者のネームバリュー
  2. その対局の将棋史における重要度
  3. その対局の将棋としての質
  4. 観戦記の面白さ

これまでは下にいくほど優先度が下がる傾向があったと思うのだが、ここで発想を転換して、観戦記の面白さ、クオリティを最上位にもってきたらどうかということだ。

観戦記のクオリティを重視することで何より読み物として面白いものにするということだが、収録する将棋も昭和時代のものに限定する。これは羽生世代以降の観戦記は今でも書籍として入手できるものが多いというのがあるし、梅田望夫さんが書く「長い観戦記」の面白さを堪能するには昭和時代のほうがよいからだ。当時の棋士のほうが所作が表情豊かでエピソードも豊富という側面もある。

それに「昭和時代の名観戦記」に限っても、木村時代、大山・升田時代、そして中原・米長時代と名勝負は数あるのだから、それらを代表する名局を本にまとめるのに材料が足らないことはあるまい。必要であれば、対局の将棋史的な位置づけ、現在の目から見た将棋内容の解説を雰囲気を損なわない程度に入れてもよい。

思えば、芹沢博文が新聞に書いた「狂ったか米長」という見出しを古株の将棋ファンで知らない人はいないだろうが(これ今だと絶対アウトだな…)、芹沢博文の観戦記というと、以前 id:doublecrown さんからいただいた『王より飛車が好き』(asin:4383023517)に、昭和57年の第四十期棋聖戦において、一局あたり15回が限界だった新聞観戦記で倍の30回を費やした観戦記が収録されている。サンケイ新聞(当時)の福本和生記者は、「さっそくこのむねを紙上に発表すると、「三十回観戦記に期待」の投書や電話が殺到し」、芹沢の観戦記が掲載されると、「読者の反響も「毎日の将棋が楽しみ」「将棋の奥深さに感動した」と、絶賛の声が多数寄せられた」と書いていて隔世の感があるが、将棋の面白さを存分に伝える名観戦記集(それには金子金五郎の文章も複数収録されるだろう)は価値ある企画だと思う。どこかやってくれないかな。

このエントリの結論としては、おい、id:kiyohero(呼び捨て)、キミもはてなの広報なら将棋指せよ! ということだ【無理をふっかけおれカネゴン

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