Slashdot 経由で、今やネットにおける音楽の標準規格である MP3 の誕生についての Business Week の記事 How MP3 Was Born を知る。
『デジタル音楽の行方』の中にも MP3 がドイツのフラウンホーファー研究所で開発されたという記述があったが、その中でも Karlheinz Brandenburg という人が主導的な役割を果たしたことは知らなかった。
記事によると Karlheinz Brandenburg さんは、自分が MP3 の「発明者」と言われるのを好んでないようで、要は謙虚な人なようだ。MP3 は非営利のフラウンホーファー研究所に2005年だけで150億円以上の特許料をもたらし、Brandenburg さんも相応の報酬を得ているそうだが別に億万長者になったわけではなく、現在もフラウンホーファー研究所でデジタル音楽の研究に勤しんでいるとのこと。ほぉ。
面白かったのは、音質改善を行う過程でスザンヌ・ヴェガの代表曲 Tom's Diner が大きな役割を果たしたというくだり。Tom's Diner についてはワタシも以前書いたことがあるが、今では DNA 由来のバージョンが有名になってしまったが、原曲は張り詰めた緊張感が印象的な完全なアカペラ曲で、余計な装飾がない分これを再生すれば音質がはっきり分かったらしい。
When MP3 developers refined the technology to the point where Tom's Diner sounded true to the original, they had made a major breakthrough. "I've listened to this 20 seconds [of Tom's Diner] a thousand times. I still like the music," says Brandenburg, who met Vega years later when both attended an event in Cannes to mark the creation of MP3.
よい話だね。あと Wikipedia の Tom's Diner のページには Business Week の記事の件が早速追加されている。