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ジャンゴ 繋がれざる者

クエンティン・タランティーノという人は、当代を代表する映画監督でワタシも好きだが、ワタシのような浅い映画好きからすると、『キル・ビル』以降は、「これはタランティーノの映画だから」という留保なしには心から楽しめない感じがあるのを認めないといけない。本作も上映時間が165分というのを知ったときは、「ああ、またか」と嫌な予感がした。

本作はタランティーノの西部劇、というよりはブラックスプロイテーション映画で(そもそも舞台西部じゃないじゃん)、冒頭からB級映画的カメラワークなどいかにも「らしい」のだけど嫌な感じはしなくて、結論から書くと、彼の映画で一番面白かった。

本作も『イングロリアス・バスターズ』に続いてクリストフ・ヴァルツが無茶苦茶上手くて、この人は『おとなのけんか』慇懃無礼な役がよかったが、本作は悪役でないのにとても彼らしくてアカデミー助演男優賞も納得である。本作はヴァルツだけでなく、レオナルド・ディカプリオサミュエル・L・ジャクソン(最初彼と分からなかった)も悪役を活き活きと演じていてよかったですね。

前述の通りワタシは浅い映画ファンなので、本作の元ネタとして挙げられる映画はほとんど観てないし、ちょっとした場面、例えば木につながれた女奴隷が鏡に写ったジャンゴの姿を認める画など何かの映像的引用なんだろうなと思うだけなのだけど、それでも問題なく楽しめる映画だった。

普通ならここをクライマックスとするところで終わらなくて、だから本作は2時間半をゆうにこえるのだけど、最後にさらに見所をつくってくれて、それがすごくかっこいいのだから文句はない。しかも本作は随所に笑いどころがあり、劇場は(ワタシの後ろが西洋人四人組だったからというのもあるが)常に笑いが絶えなかった。

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