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スター・ウォーズ/最後のジェダイ

28日夜にようやく観ることができたこの作品だけは個別に書いておこう。

ワタシはまだ小学生の時分に家族とともにエピソード5と6を映画館で観た人間で、旧三部作は大好きだが(ジョージ・ルーカスの映画で一番評価するのは『アメリカン・グラフティ』だけど)、このサーガに対する深い思い入れが基本的にない人間だったりする。

本作は公開するなり賛否両論で、中にはこれをスターウォーズの正史から外すよう求める署名活動なんかもあってるようで、上に書いたような人間であるワタシ的にはかなり楽しめるのではないかという予感があったのだが、その通りだった。やったじゃないか、ライアン・ジョンソン

スター・ウォーズは、神話を持たないアメリカにとっての神話とか言われるが、何よりスペースオペラである。手に汗握り盛り上がる活劇であり、悪役はこけおどし的に強大で、どうなってしまうんだと主人公達に立ちはだかる困難があり、それを切り抜けるある種のご都合主義があり(科学考証の放棄ぶりは本作特にすごい)、物語の緊張をもたらす意外性と緩和をもたらすユーモアがある……それらは本作に全部揃っている。

本作に怒る人がいるのは、やはりフォースというこのサーガの根幹を成す設定を軽んじているように見えるからだろうか。ワタシは速水健朗さんが言うように、フォースなんて「ジョージ・ルーカスがエスパー設定に思いつきで東洋思想っぽいものを混ぜただけ」としか思わない人間なので、フォースやジェダイに関する膝かっくんもダメージを感じなかった。

それにしてもカイロ・レン! ワタシは『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を観て、なんてこいつはダメなヤツなんだと呆れた。本作でも、ヤケを起こして暴れた後、前作同様部下に「うわぁ」という目で見られているのだが、こいつのヘタレ加減を楽しめるようになったぞ。でも、お前、悪役として大して強くないのどうなんだ? スヌークの手下くらい秒殺しろよ。

ワタシはカイロ・レンを演じるアダム・ドライバーのことがどうも好きになれなかったのだが、本作を観ていて、その理由が突然分かった。それは個人的なものなので、ここには書かないが、今年は『パターソン』を観て、彼に対する印象が良くなっていたのもあり、以前のように彼にイラっとしなかった。

本作はキャリー・フィッシャーの遺作になったわけだが、確かライアン・ジョンソンは、本作の脚本を書くと、フィッシャーに見せて相談をしたと語っていたと思う。本作を観ていて、その脚本には、極めて有能なスクリプトライターだったフィッシャーの手が結構入っているのではないか、と特に何の根拠もなく思ったりした。

さて、このようにワタシは本作に好意的なのだが、本作に怒る人の気持ちも分かる気はする。それはかつて呉智英が相撲の国際化(外国人力士)について書いていたたとえ話、ちょっとした小料理屋に言って、これぞという日本料理を出してくれと注文したらカレーライスと餃子が出て、確かに両方とも日本の代表的な家庭料理だが、それを受け入れられるか? という話……は、相撲界がいろいろとアレな状況でもよいたとえではないか(笑)。それはともかく、人それぞれ、スター・ウォーズに見たいと思っているものの保守性に向き合わされるのかな。

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