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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

機内放送で字幕版を観た。未だ日本では公開されていないので、ネタバレには気をつけて書く。

本作は、かつてブロックバスター映画でスーパーヒーローを演じたものの今では落ち目のハリウッド俳優、という主演のマイケル・キートン当人を思わせる役者がブロードウェイの舞台で再起を図るブラックコメディだが、はじめから「スーパーリアリズム」感を押し出している。

カット割りせず長回しで撮り続ける作りは、舞台裏の狭い楽屋やうねうねした通路という狭苦しい場所が主な舞台となる本作によく合っていた。

アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの映画は今回初めて観た。正直彼の過去の作品はあまり惹かれなくて、話だけ聞いて作品にユーモアに欠けるように思えたのだ。しかし、本作のブラックコメディ感はなかなかで、本作のスーパーリアリズムもそれに貢献している。

役者ではエドワード・ノートン演じる身勝手な舞台俳優がさすがという感じだった。あと主人公の娘役のエマ・ストーンも全然美人に見えないけど良かったね。

というわけで、非常に技巧的な映画だがそれに見合った作品だし、役者の演技も良い。音楽がほとんどドラム演奏だけからなる趣向も骨っぽくて面白い。「これって見たことあるぞ! でも……なんで見たんだっけ」と思ったラストも広がりがある。

しかし……なんだろう、映画として重要な何かが欠けているような気がするんだよな。それが何かはワタシ程度の映画初心者には的確に表現できないのだが、映画館で観たらまた印象が変わるかもしれないので、日本公開時には観てみようかと思う。

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