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スティーブ・ジョブズ

映画館で観るつもりだった映画だが、公開当時バタバタな状況だったため観に行けなかったので、レンタルしてみた。

いや、これいいじゃないの。スティーブ・ジョブズを演じるマイケル・ファスベンダーはまったくジョブズに見えないが、別に映画はモノマネショーじゃないんだからそれは問題ではない。『それでも夜は明ける』でも思ったが、ファスベンダーってすごい役者だね。

話には聞いていたが、ウォルター・アイザックソンの伝記を映画化するにあたり、アーロン・ソーキンは、初代 Macintosh、NeXTcube、そして iMac という三つの製品のお披露目プレゼンの開始直前のみにフォーカスを絞る形を採っている。

アーロン・ソーキンが脚本を書いた『ソーシャル・ネットワーク』について、マーク・ザッカーバーグを悪役視しているところに、ソーキンは IT 業界におけるクリエイティヴィティについて理解していないという批判があった。

本作は、プログラマーではなくデザイナーでもないスティーブ・ジョブズが主役のため、そのあたりが微妙なねじれを起こし、またジョブズに対する文句なしに辛辣な視線もあいまり、良いほうに転がっていると感じた。

史実的には、ジョン・スカリーが NeXT 発表の舞台裏にやってきたのかとか、スティーブ・ウォズニアックiMac の発表の段まで Apple II への謝辞にこだわったのはおかしいだろうといった批判はあると思う。何より、この映画だけ見たのでは、NeXT はともかく初代 Mac までも製品としては純然たる失敗にしか見えないのは、ジョブズを信奉する皆さんには耐え難い描き方だろうが、ジョブズの最初の娘にして、認知をひたすら拒んだリサ・ブレナンの存在を軸にすることで映画として筋を通している。

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