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なぜ我々は電子書籍を「所有」できないのか? 出版社とプラットフォームの力学を解き明かす研究

michaelweinberg.org

Open Source Hardware Association の理事を務め、ワタシが訳した『3Dプリンティングと著作権を考える』の著者であるマイケル・ワインバーグが、「なんで電子書籍を所有できないの?」という直球なエントリを書いている。

もはや電子書籍はまったく珍しいものではなく、お金を払ってアクセスするのは容易である。しかし、所有する紙の本にできるようなこと、転売したり、譲渡したりができない。つまり、我々は電子書籍を「所有」はしておらず、特定のプラットフォームで電子書籍にアクセスする「ライセンス」を買ってるだけ、という話はよく知られる。

で、それは誰のせいでそうなってるの? どんなインセンティブや制約のせいでそうなってんの? を掘り下げた The Anti-Ownership Ebook Economy(リンク先 PDF ファイル)が公開されている。

本には著者、出版社、書店、電子書籍プラットフォーム、図書館、そして我々読者といろんな利害関係者がいるが、「出版社とプラットフォームは、我々のデジタル時代における読書の形をいかに作り変えたか」という副題から明らかなように、出版社とプラットフォームの二者のパートナーシップが主導したということなんですね。

共著者はマイケル・ワインバーグの他に、以前「邦訳の刊行が期待される洋書を紹介しまくることにする(2018年版)」で取り上げた The End of Ownership の共著者であるジェイソン・シュルツが入っており、適材適所。

素晴らしいことに CC BY-SA 4.0 ライセンスで公開されているので、この問題に興味ある方でどなたか翻訳公開してくれないものか?

そうそう、共著者のサラ・ラムダン(Sarah Lamdan)による 『データカルテル:我々の情報を支配し、独り占めする企業』という本も面白そうだ。

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