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007 スカイフォール

ダニエル・クレイグジェームズ・ボンド役も三作目だが、彼がボンド役に決まったときは結構論議があり、今では信じられないことだが嘲笑的な報道も多かった。『007 カジノ・ロワイヤル』で彼がそうした声をねじ伏せたのはご存知の通りだが、本作は誰もが避けられない老いと現役にこだわること、変化することについてクレイグのボンド、並びにジュディ・デンチ演じるMが対峙する作品でもある。

そのおかげで本作でもっともフィーチャーされる女優さんがデンチということになり、ボンド映画の伝統的セクシズムを好意的に見ていないワタシですらそれはちょっとカンベンだったが、逆に言うとそうしたお色気の横道にそれる必要のない映画ともいえる。監督のサム・メンデス『ダークナイト』を意識したという話を読んだが、一言で言うと比較できるレベルにはまったく達していませんけどね、はい(メンデスの映画では『アメリカン・ビューティー』が大好き)。

ただ冒頭からクレイグのボンドらしいハードでハイテンションなアクションが炸裂して盛り上がるし、夜の上海でのビル内でのアクションシーンが美しく撮られていて(撮影はロジャー・ディーキンス。普通に暗い時間の画が多い本作がちゃんと見れるのは彼の手腕によるところが大きいだろう)、そうした旧来のボンド映画らしくないアクションを積み重ねた後にお約束の音楽をドーンと持ってくるところなどなかなか上手い演出だと思う。

ただ途中はっきりたるくなったところもあって、140分超えはなんぼなんでも長いだろう。

エンドロールを見ていたら、最後あたりで「軍艦島長崎市」と日本語で出てきたのは驚いた。軍艦島にはワタシも臨時収入のおかげで今年初めて足を運んだ程度なのだけど、長崎生まれとしてやはり嬉しかった。

iPad向け雑誌は可能か 〜 失敗したThe Dailyとそれを乗り越えようとするThe Magazineや29th Street Publishing

昨年2月に初の iPad 日刊紙として鳴り物入りで登場した The Daily の廃刊のニュースについては、中の人の証言Marco Arment の分析が興味深いが、シリコンバレー101の文章が一番興味深かった。

ここで引き合いに出されているのが Craig Mod の Subcompact Publishing という文章だが、これ自体なかなか長いのでシリコンバレー101の要約しか読めてないが納得するところが多い。

この記事の中では、「サブコンパクト出版」の実例として Marco Arment が手がける The Magazine が挙げられているが、他にも同様の動きはある。

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これは江坂健さんのツイートで知った文章だが、かつてブログが簡単にできない時代があったという話から始まる。29th Street Publishing は、TumblrWordpress がブログの世界でやったような革新を iPad 雑誌の分野でも起こそうとしているというのだ。

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つまり、iPad で雑誌を出してサブスクリプションで収入を得るのをブログ並みに容易にしようと言うのである。これはデジタル出版にも Movable Type があったらいいのにという声に応える動きと言える。簡単にいくとは思えないが、確かに需要はありそうだ。

Nieman Journalism Lab の文章には当然ながら The Magazine も取り上げられており、興味深いので訳したいのだが今は時間がない。済まぬ。

ともかく雑誌の廃刊という景気の悪い話の一方でチャレンジャーもぼつぼつ登場しているのは間違いなく、まだまだタブレット向け新聞、雑誌については試行錯誤があるのだろうな。

エリック・シュミットGoogle会長の初の著書『The New Digital Age』が来年4月に刊行される

長らく Google の CEO であり、現在は会長職を務めるエリック・シュミットが『The New Digital Age』が来年4月に刊行されるそうな。彼の著書となると多分初めてではないか。

The New Digital Age: Reshaping the Future of People, Nations and Business

The New Digital Age: Reshaping the Future of People, Nations and Business

The New Digital Age: Reshaping the Future of People, Nations and Business

The New Digital Age: Reshaping the Future of People, Nations and Business

The New Digital Age: Reshaping the Future of People, Nations and Business (English Edition)

The New Digital Age: Reshaping the Future of People, Nations and Business (English Edition)

これまで数々の Google 本があり、最近でもスティーブン・レヴィ『グーグル ネット覇者の真実 追われる立場から追う立場へ』などあるわけだが、その Google の経営中枢で重責を担った人の本はこれが初めてであり、楽しみである。

もちろん書名からも分かる通り、内容は Google の話に特化したものでは全然ないようで、以下の問題を扱うようだ。

未来では市民と国家のどちらがより力を持つのか?

テクノロジーテロリズムの遂行を容易にするのか、あるいは難しくするのか?

新デジタル時代の一部になるためにどれくらいプライバシーとセキュリティを諦めなくてはならないのか?

みんながネット接続したら、戦争や外交や革命はどのように変わるか?

オンラインにおける完全な仮想生活と物理的な生活の両方をおくることはどんな影響をもたらすか?

個人的にはプライバシーとセキュリティについての話が特に興味あるね。前者についてシュミットはかつてダブルスタンダードを露呈していたので。

これは来年邦訳も出るでしょうな。

クリエイティブ・コモンズ10周年イベントとTPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラム

クリエイティブ・コモンズ10周年については以前取り上げているが、週末からイベントが始まっている模様である。

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さて、日本でも10周年記念イベントが12月22日に開催されるとのこと。

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クリエイティブ・コモンズ・ジャパンの最近の活動では、thinkC や MIAU とともにTPPの知的財産権と協議の透明化を考えるフォーラムを立ち上げているのも最近の動きでは特筆に値する。

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TPP もねぇ、自由貿易に関してはワタシも基本的には文句ないのだけど、なんでか知財がらみの話がセットでついてくるんだよね。衆議院選挙においても TPP は争点の一つだが、基本的にこれが引き合いに出される場合、主に農業分野の賛否なんだよね。

そんな現状において、知財がらみの話にフォーカスを当てる活動は非常に有益なものだと思う。今週、緊急シンポ「TPPの交渉透明化と、日本の知財・情報政策へのインパクトを問う!」が開催される。

Firefoxのバージョンが17になってからJSLocalWikiが動かなくなった

個人用のちょっとしたメモ用途にワタシは以前よりローカルで動作する Wiki エンジン JSLocalWiki を使用していた。

しかし、ワタシの常用しているブラウザである Firefox のバージョンが17になってから、「このブラウザでの動作はサポートしていません。」というエラーポップアップが表示されるようになり、ページが見れなくなった。

もちろん JSLocalWiki で管理していた内容はテキストデータが残っているから他に乗り換えることは可能なのだが、せっかく今まで使ってきたのにという未練がある。

ここで颯爽と JSLocalWiki のソースを読み解き、問題を解決できればよいのだが、JSLocalWiki の記述言語である JavaScript はワタシほとんど知らないのよね(このウェブ時代に!)。

メールアドレスは分かるので、著者に連絡を取ればよいのかもしれないが、2007年で開発が停まったままで、今更これについて問い合わせを受けても迷惑かなと躊躇している。

今現在も JSLocalWiki を使っている人なんていないのだろうか。上記現象の解決策が分かる方は……というのは難しいとして、個人用 Wiki で他にお勧め、あるいは Wiki 以外でそうした用途で今お勧めのソフトウェアをご存知の方はコメントなりで教えていただけないだろうか。

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