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007 スカイフォール

ダニエル・クレイグジェームズ・ボンド役も三作目だが、彼がボンド役に決まったときは結構論議があり、今では信じられないことだが嘲笑的な報道も多かった。『007 カジノ・ロワイヤル』で彼がそうした声をねじ伏せたのはご存知の通りだが、本作は誰もが避けられない老いと現役にこだわること、変化することについてクレイグのボンド、並びにジュディ・デンチ演じるMが対峙する作品でもある。

そのおかげで本作でもっともフィーチャーされる女優さんがデンチということになり、ボンド映画の伝統的セクシズムを好意的に見ていないワタシですらそれはちょっとカンベンだったが、逆に言うとそうしたお色気の横道にそれる必要のない映画ともいえる。監督のサム・メンデス『ダークナイト』を意識したという話を読んだが、一言で言うと比較できるレベルにはまったく達していませんけどね、はい(メンデスの映画では『アメリカン・ビューティー』が大好き)。

ただ冒頭からクレイグのボンドらしいハードでハイテンションなアクションが炸裂して盛り上がるし、夜の上海でのビル内でのアクションシーンが美しく撮られていて(撮影はロジャー・ディーキンス。普通に暗い時間の画が多い本作がちゃんと見れるのは彼の手腕によるところが大きいだろう)、そうした旧来のボンド映画らしくないアクションを積み重ねた後にお約束の音楽をドーンと持ってくるところなどなかなか上手い演出だと思う。

ただ途中はっきりたるくなったところもあって、140分超えはなんぼなんでも長いだろう。

エンドロールを見ていたら、最後あたりで「軍艦島長崎市」と日本語で出てきたのは驚いた。軍艦島にはワタシも臨時収入のおかげで今年初めて足を運んだ程度なのだけど、長崎生まれとしてやはり嬉しかった。

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