普通、一番だろ……とCMネタをかましてもしかたがない。
何も聞こえない!--無音の曲を本当に販売しているiTunes Music Storeを読んで考えたのだが、無論一番有名なのは、ジョン・ケージのアレ。で、二番となると何か。
スライ&ファミリーストーンの "There's a riot goin' on" ではないでしょうか、chicさん……あ、更新止まったままだった。
これはスライの最高傑作であるアルバム『暴動』のタイトルナンバーなのだが、10秒弱の無音である。タイトルとあわせ意味深なものを感じるが、このタイトル自体は黒人コーラスグループ、コースターズのヒット曲の一節からとられたもの。
なお、プリンスの最高傑作『Sign 'O' the Times』の'O'にあたるマークは、『暴動』のスリーブからとられている(と思う)。
このように、創造は伝播していくものなのだ。レッシグ教授が「創造とイノベーションは常に過去の上に築かれる」というとき、当たり前だが「過去の作品を見習わなきゃならんよ」などという説教を垂れているのではない。この場合は「フリー」でなく「フェアユース」の話になるが、「精神のリレー」は、そのフェアユースの概念なくしては成り立たないのだ。
例えば、ジョン・ケージが「無音の曲」で特許を取り(笑)、片っ端から訴えていたら? コースターズのメンバーが曲タイトルに法外な使用料を課したら? スライがあのマークの独占権を主張し、プリンスを訴えたら? 考えるだけで恐ろしい。
もちろん上に書いたことには、現行法で認められる範囲を逸脱したものもあるから、現実的ではない。しかし、それに近いことは実際に起きている。かつてカーターUSMが曲中、「ルビー・チューズデイ」の名前を出したとき、曲自体はカバーでも何でもないにも関わらず、ストーンズの弁護士は法外な使用料をふっかけている。
……と例によってはじめと内容が全然変わってしまったではないか!