ワタシがベティ・デイヴィスの名前を知ったのは、彼女の出演した映画ではなく、キム・カーンズのヒット曲「ベティ・デイヴィスの瞳」であった。30台の人は大抵そうなんじゃなかろうか。
なのでベティ・デイヴィスと聞いても本人より先にあのシングル(兄が持っていた)のジャケットのキム・カーンズと彼女のハスキーヴォイスを連想してしまう。もっともこの曲がヒットした80年代前半はまだ本人は存命だった。彼女自身はあの曲についてどのように思っていたのだろう。
個人的にこうした話でもう一つ思い出すのは吉田拓郎である。
なんで? と言われそうだが、ワタシが彼の名前を知ったのは、サザンオールスターズの1985年のアルバム『KAMAKURA』に収録された「吉田拓郎の唄」で、当時ワタシも同級生も誰も「吉田拓郎」が何者か知らなかった。今ウェブで彼のプロフィールを見ると、この時期もちゃんと活動していたようだが、当時小学生だった我々に届く情報がなかったのだ。ワタシの幼馴染みが母親に尋ね、「どうやら有名なフォーク歌手だったらしい」という情報を仕入れ、なんだ過去の人かと納得した覚えがあるが、それから十年以上経って Kinki Kids とテレビ番組をやるのだから人生分からないものである。