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セマンティック・ウェブとWeb 2.0の関係について再び

ワタシが昨年「歴史は性懲りもなく繰り返すが、何もかもが懐かしいなどとは思わない」を書いたときに期待していたのは、セマンティック・ウェブの研究をしている人たちなどからの批判だった。のだが、ワタシが知る範囲では目立った批判はなかった(あったら教えてください)。

まあ、単にそうした偉い方々はワタシのサイトなど知らない/ワタシなど相手にしていないということだと思う。

Enterprise Watch におけるシックス・アパート平田大治さんのインタビューに我が意を得たりと思ったところがあったので引用する。

 SGML(Standard Generalized Mark-up Language:文書の論理構造、意味構造を記述する言語)ベースといいますか、これまでのHTMLによるWebはデータベースとしてはボロボロで、至るところでリンクが切れてしまってました。だからといって、セマンティックWebの理想通りにRDFXMLベースの世界を作ろうと思っても、それがすぐに成立することは難しい。

 それでも、多少中途半端であっても、少しずつWebの構造化を進めるために、RSSをはじめとする小さなフォーマットの普及を目指す人たちがいます。そういう努力を続ける人たちに対していろいろいいたがる人もいるし、批判はありますが、結局多くの人の努力と尽力によって、シンプルなWebサービスであるRSSなどのフォーマットが普及し、構造化の方向に進んでいます。

この話は松永英明さんの「デーサイ」への期待にもつながる話だと思うが、それはさておき、一方で神崎正英さんが「セマンティック・ウェブ、あるいはルーズさを生かした構造」において Tim Falconer の文章を引用している。

Web 2.0をかついでいる人々も、いずれセマンティック・ウェブが以前直面した壁(その結果、RDF/OWLというアプローチをとった)にぶつかるだろう。「何てこった、このメタデータを活用するのがこんなややこしいなんて。」そして、セマンティック・ウェブは三段論法なんかじゃなくて、「縫い合わせ」だってことを理解するだろう。

しかし、それでは遅すぎるんだ。取っつきやすい、半端なセミ・スタンダードを使って、結局何にもならないという事態にならないうちに、セマンティック・ウェブ技術の利点を理解してもらわなくては。

うーん、今のところワタシは平田大治さんの見方に近い。セマンティック・ウェブの人たちもちゃんと現状を把握しているのは分かった。

神崎正英さんはその後に「SPARQL: セマンティック・ウェブとWeb 2.0が出会うところ」という文章を書かれているが、両者を合体させてセマンティック・ウェブ2.0(Semantic Web 2.0)と言い出す人は……いませんね、すいません。

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