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「家の中にストーカーがいます」で思い出したピート・タウンゼントの話

「家の中にストーカーがいます」(最後まで読むべし)のように怖くはないが、似た感じの話をピート・タウンゼントがしていたのを思い出した。もっともピータンのことだから誇張しているのだろうが、先ごろ24年ぶり(!)の新譜(asin:B000IONLN6)を出したThe Who がアルバム『Who Are You』asin:B000002P2V)を制作していた頃の話。

当時キース・ムーンがアルコールとドラッグの中毒状態だったため、ピータンは彼を連れアルコール中毒更正会に出向いたことがあった。更正会の人間は一通りの所見を終えるとピータンのほうに向き直り、「で、君は典型的なアルコール中毒症だね」と言い切った。

思いもよらぬ言葉に憤慨し、ピータンはスタジオで「俺が酒を断ってキースの世話をしてるのに、アル中更正会の奴ときたら俺をアル中呼ばわりしやがって!」とぶちまけた。しかし、そこにいた人間は皆困惑したような表情を浮かべるばかり。気持ち悪くなってピータンはひとりひとり問いただしてみたが、どうも要領をえない。終いには運転手をつかまえて「俺は酒を止めてるよな」と聞くと、「ええ、お帰りのとき以外は」との答え。

「なんだって?」「だってスタジオからの帰り、必ずバーに寄ってウォッカを一瓶あけているじゃないですか。皆あなたがおっしゃる『禁酒』は、スタジオでは酒を飲まないことだと思ってますよ」

以下は余談だが、キースのしまらないドラミングに我慢を重ねていたピータンの堪忍袋の緒が切れた頃のある夜、キースからピータンに電話攻勢があった。電話といってもおやすみを言うぐらいなのだが、何度も電話がかかってくる。十回目あたりでキースがすすり泣きだした。

「なあ、ピート、俺のことは信用してくれてるよな? 信じてくれてるよな?」と泣きつくキースに、ピータンは答えた。

「ああ、お前のことはちゃんと信じてる。でも、やっぱりお前はバカだ」

キース・ムーンは、『Who Are You』発表後まもなくオーバードーズにより死去した。

映画『キッズ・アー・オールライト』(asin:B000244TH4)より。そんなシリアスな状態には見えないが、確かにキースはドラミングの衰えを変顔で隠しているように見えなくもない(笑)

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