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「高嶺の花」を「高根の花」と書いて日本語を乱す新聞業界

2010年6月23日の日本経済新聞夕刊を読んでいて、何じゃこりゃと思った。

「高根の花」って何だ? 「高嶺の花」だろが! ……と怒りにまかせて Twitter に吐き出した。

すると多くの方々から反応があった。校閲者のミスでは? というのはワタシも思ったことだし、松永英明さんの「ATOK使えば間違えないのにMS IMEを使っていた」からではないかという冗談交じりの指摘には笑ってしまったが、MS-IME 使用者としてマイクロソフトの名誉のために書いておくと MS-IME で変換したって「高根の花」なんて候補は表示されない。日経新聞の記者の国語力は MS-IME 以下なのかと思ったが、一概にそうとも言えないらしい。

「高嶺の花」の「高根の花」への書き換えは、新聞業界の取り決めを踏まえて行われているようだ。

それは理解した。しかし、それでも書かせてもらうが、その方針は糞である。

完全に定着している用法を勝手にテメエらの談合で置き換えるのは間違っていると思うし、少なくともこの方針に従う新聞に、今後一切「日本語の乱れ」的記事を垂れ流す資格はない。お前らが自ら日本語を乱しているだろうが。

あとyukatti さんの tweet で知ったが、元朝日新聞「天声人語」執筆者の栗田亘氏は、以下のように書いている。

 新聞の一方的な都合で、日本語を改変することもある。「高嶺の花」を「高根の花」と表記するのも、新聞の都合。「嶺」は常用漢字にない、という理由だった。
 個人的には、虫酸が走る言い換えであった。ゆえに私は、新聞記事では「高嶺の花」という言葉そのものを使わなかった。

http://allatanys.jp/B001/UGC020005220100118COK00467_4.html

これは一つの見識だと思う。ただ、自分たち新聞業界の人間が、自らの手で日本語を汚しているという意識を栗田氏にも持ってほしかった。自分一人が使わなければよしというものではないだろう。

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