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Steely Dan, Gaucho

GAUCHO

GAUCHO

少し前に Twitter「史上、最も録音が良いと思ったアルバムは?」という話題が盛り上がったようで、その中でもスティーリー・ダンドナルド・フェイゲンのアルバムが評価が高くて唸ったが、ワタシも一枚選ぶとすれば『Gaucho』になると思う。ちょうど Amazon で安売りしているので、Amazon980円劇場として取り上げる。

本作はスティーリー・ダンの(再結成前の)ラストアルバムで、一般的には一つ前の『Aja』が最高傑作とされるが、ワタシは本作も同じくらい好きだ。

本作制作時にはレコード会社との軋轢、ウォルター・ベッカーの個人的なトラブル、そしてアシスタントによるマスターテープ消去事件などいろんな問題に見舞われているのだが、そうしたトラブルを音から感じさせない。

例えば『Aja』の "Peg" と本作の "Time Out of Mind" を比べてみる。"Peg" というとジェイ・グレイドンを一躍有名にした活きの良いギターソロが知られるが、一方で "Time Out of Mind" では、マーク・ノップラーのギターソロが、どこまでも破綻なく滑らかで結果自然かつ地味に処理されていて聴いていて射精しそうになるくらい美しい。

スティーリー・ダンというと一流のセッションミュージシャンを贅沢に起用することで知られているが、本作は "Babylon Sisters" におけるバーナード・パーディといった数少ない例外を除くと、もう本当に究極の洗練というか、誰が弾いたか分からないくらいどこまでも美しく滑らかに磨き上げられた音で、それを退屈とみる人もいるが、もうどこまでも気持ちの良い音に仕上がっている。

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